ザ・なつやすみバンドが2021年8月29日(日)にビルボードライブ東京でライブを行う。

2008年、〈毎日が夏休みであれ!〉という信念の元で結成されたザ・なつやすみバンド(以下、TNB)。中川理沙(ヴォーカル/ピアノ)、MC.sirafu(スティールパン/トランペット)、高木潤(ベース)、村野瑞希(ドラムス)という個性豊かなメンバーからなる4人組だ。

TNBの魅力といえば、中川の温かく透き通った伸びやかな歌声、叙情的でセンチメンタルな歌詞、そしてどこか懐かしいメロディーだろう。また、ピアノ、ベース、ドラムスに加えて、MC.sirafuが操るスティールパンとトランペットが彩るバンド・アンサンブルは唯一無二。彼らが生み出すサウンドは、ポップでありながらもストレンジで、とにかく癖になる。

TNBは、2010年にCD-R『なつやすみの誘惑』をリリースした後、ギタリストが脱退し、MC.sirafuが加入したことで現在の4人編成になった。その後はライブ活動によって東京を中心にインディー・シーンでじわじわと支持を広げていき、〈Shimokitazawa Indie Fanclub 2011〉へ出演した際には入場規制がかけられるなど、まさに〈巷で話題のバンド〉になっていく。

2012年には、満を持してファースト・アルバム『TNB!』をリリース。自主制作でありながらも口コミで評判を広げて好セールスを記録し、〈第5回CDショップ大賞〉でメジャー作品に並んでノミネートされるなど、話題作として同年のシーンを席巻した。

2012年作『TNB!』収録曲“天の川”

2015年には、メジャーへ進出してセカンド・アルバム『パラード』をスピードスターから発表した。NHK「助けて!きわめびと」のメイン・テーマにアルバム表題曲“パラード”が起用され、さらにEテレの「シャキーン!」とコラボレーションで“D.I.Y. 〜どこまででもいけるよ”がオンエアされるなど、〈巷で話題のバンド〉だったTNBはお茶の間でも知られる存在になっていく。

2015年作『パラード』収録曲“パラード”

続くサード・アルバム『PHANTASIA』をリリースした2016年は、〈FUJI ROCK FESTIVAL〉へ2ステージで出演。また、「シャキーン!」と再びコラボした“速度のうた”で大人から子どもまで幅広いリスナーを魅了した。

2016年作『PHANTASIA』収録曲“Odyssey”

2018年にはNegiccoのアルバム『MY COLOR』に“ノスタルジア”を書き下ろし、プロデュースも行った。さらに、結成10周年を記念したアルバム『映像』のリリースも。この年、「シャキーン!」との三度のコラボ曲“タイミング”がオンエアされたことも注目された。

Negiccoの2018年作『MY COLOR』収録曲“ノスタルジア”

そして2019年、関口将史(チェロ)、池田若菜(フルート)、加藤雄一郎(サックス)、松田“CHABE”岳二(パーカッション)と共に吹き込んだアルバム『Terminal』を発表。小淵沢でのレコーディング合宿を経て作られた同作は、〈旅行三部作〉の第1弾に位置づけられている。

2019年作『Terminal』トレイラー