さまざまなプロジェクトにギタリストとして貢献する音楽家/コンポーザーの新作。サム・ゲンデル、カルロス・ニーニョ、細野晴臣といった才人たちを招いた本作では、優美かつ幽玄な音が聴き手を〈別の時間〉へと誘う。即興演奏と編集を何度も繰り返しながら構築されたサウンドは、その隅々まで位相や重なり方を考え抜かれているようでいて、ある種の定型を拒み続けるかのような野蛮さが何よりの魅力となっている。