Mr.Childrenのデビュー30年を記念した2作のベスト盤『Mr.Children 2011-2015』『Mr.Children 2015-2021 & NOW』が5月11日にリリース。これを記念して、2作の店着日、そしてデビュー日でもある本日、タワーレコードではフリーマガジン〈TOWER PLUS+ Mr.Children特別号〉を発行! ここではその中面に掲載されたコラムを掲載いたします。TOWER PLUS+は、タワーレコード全店にて配布中です!
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Mr.Children 『Mr.Children 2011-2015』 トイズファクトリー(2022)

Mr.Children 『Mr.Children 2015-2021 & NOW』 トイズファクトリー(2022)

Mr.Childrenがデビュー30周年を記念した2枚組ベストアルバム『Mr.Children 2011-2015』『Mr.Children 2015-2021 & NOW』をリリース。この10年の軌跡と〈これからのミスチル〉を体感できる充実のベスト盤だ。

Mr.Childrenから2作のベストアルバム『Mr.Children 2011-2015』『Mr.Children 2015 - 2021 & NOW』が届けられた。

リリース日の2022年5月11日は、デビュー記念日(1992年5月10日)の翌日。『Mr.Children 2011-2015』には2011年から2015年までにリリースされた楽曲、『Mr.Children 2015-2021 & NOW』には2015年から2021年までの楽曲と新曲“永遠”“生きろ”が収められる。さらに各ベストには過去の公演から厳選されたライブ音源をまとめた〈LIVE盤〉も付随。Mr.Childrenの2011年以降の軌跡、ライブバンドとしての魅力、そして、この先のビジョンも感じられる濃密な作品となっている。

『2011-2015』はアルバム『[(an imitation) blood orange]』(2012年)と『REFLECTION』(2015年)、『2015-2021&NOW』はアルバム『重力と呼吸』(2018年)と『SOUNDTRACKS』(2020年)の収録曲を中心に構成されているが、ターニングポイントになる曲を挙げるとすれば2014年のシングル曲“足音~Be Strong”だろう。デビュー前後から音楽制作に深く関わっていた小林武史と離れ、セルフプロデュースに移行した最初の楽曲だ。ギター、ベース、ドラムによる剥き出しのバンドサンド、〈また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!〉というラインが響き合うこの曲には、メンバー4人による〈ここからまた、ロックバンドとして歩み出す〉という意思が漲っていた。

その後も、未来に向かう意思をダイレクトに刻み込んだ“未完”、〈どんな状況も乗り越えられる〉というメッセージを響かせる“Starting Over”、普遍的な愛の在り方を表現した“himawari”、オーガニックな音像と〈きっと/虹はもうここにある〉というラインが共鳴する“ヒカリノアトリエ”といった楽曲を発表。作品を重ねるたびに桜井和寿のソングライティングはさらに豊かさを増し、桜井、田原健一、中川敬輔、鈴木英哉によるアンサンブルは鋭さと深みを獲得。その結果として4人は、バンドとしての確固たるアイデンティティを掴み取った。

現体制による最初の集大成と呼ぶべき作品が、アルバム『SOUNDTRACKS』だ。U2やサム・スミスらの楽曲を手がけたことで知られるエンジニアスのティーヴ・フィッツモーリスとともにロンドンで録音された本作には、ベストアルバム『2015-2021&NOW』にも収められている“others”“Documentary film”などを収録。〈リスナーの人生に寄り添うサウンドトラックでありたい〉というメンバーの強い思いも相まって、Mr.Childrenの新たな代表作となった。

ベストアルバム『2015-2021&NOW』に収録された2曲の新曲からも、彼らがさらに前進を続けていることが伝わってくる。小林武史が7年ぶりのアレンジに参加した“永遠”はNetflix映画「桜のような僕の恋人」の主題歌。時間の経過とともに変化していく〈僕〉と〈君〉の関係を切なくも美しいメロディとともに描いたこの曲は、多くのリスナーが抱いているであろう〈Mr.Childrenらしさ〉を引き受けながら、さらにアップデートさせた楽曲だ。

映画「キングダム2 遥かなる大地へ」主題歌の“生きろ”は前述したティーヴ・フィッツモーリスとともに制作された(今回はロンドンと東京のリモート制作だったという)ロック・チューン。骨太のバンドグルーヴ、濃密な感情を込めたボーカルにもグッと来るが、注目すべきはやはり歌詞。〈失くしたものの分まで/思いきり笑える/その日が来るまで/生きろ〉というラインは、映画の物語と重なりつつ、コロナ禍以降の状況にもつながっている。世界中に甚大な影響を与えたコロナ禍によって、Mr.Childrenの活動も大幅に制限された。予定されていたアルバムのリリースツアーは中止。先が見えない中でメンバー4人はリハーサルを行うなど、〈次〉を見据えた準備を続けてきた。その過程のなかで辿り着いた楽曲が“生きろ”であり、この曲には今現在の彼らの思いがもっとも濃密に込められているのだと思う。数多くのミスチル作品に関わってきたアートディレクター森本千絵のディレクションによるMVも要注目。メンバーそれぞれの男っぽい表情、生々しいメッセージとファンタジーが交差する演出を含め、“生きろ”の本質を描き出した優れた映像作品に仕上がっている。

また、ベストの初回限定盤に収められたDVDには、メンバー4人の座談会、新曲のレコーディング映像などを捉えたスペシャル映像を収録。コロナ禍で活動が制限されたときの状況、4人でリハを行うシーン、昨年10月に行われた〈ap bank fes ’21 online in KURKKU FIELDS〉、そして新曲の制作などに関する映像とトークが収められている。〈2021年のMr.Children〉を様々な方向から捉えた貴重なドキュメンタリーと言えるだろう。

Mr.Childrenはベストアルバムのリリースに先がけ、全国ツアー〈Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス〉をスタートさせる。全国のドーム、スタジアム6会場で開催されるこのツアーは、30周年のアニバーサリーであると同時に――〈半世紀へのエントランス〉というタイトル通り――この先に進むための入り口でもある。結成50周年に向けた新たなストーリーを描き始めたMr.Children。メンバーのフィジカルとメンタル、演奏のクオリティーやパフォーマンスを含め、過去最高のステージが繰り広げられることになるはず。そう、日本を代表するロックバンドであるMr.Childrenはここから、新たな物語を描き始めるのだ。