宝塚音楽学校を彷彿とさせる、〈紅華歌劇音楽学校〉を舞台にした少女漫画の最新刊。歌舞伎・アイドルと、物語の序盤から様々なジェンダー的な挫折をした少女たち。それも女性だけの歌劇では利点となり得る表裏一体な構造に加え、努力や成長を経て、後のスターたちの輝きが作られていく青春譚。仲間でありライバルでもある生徒同士も、蹴落とすのではなく、切磋琢磨しつつ自身が高みを目指していく。その美しくも崇高な姿に胸を打たれます。この12巻ではもう一人の主人公ともいえる奈良田愛が、演技を通し自分だけの目標を見つけていく過程がドラマチックに展開。終盤のあの表情!!! 胸掴まれました!