古澤巌がベルリン・フィル・ブルーム・クインテットと共演し、盟友のイタリア人作曲家マリーノのコンチェルト第6番“海”と、ブルッフのスコットランド幻想曲~第3&4楽章を演奏しているのが注目される。一聴忘れ難い哀切な旋律で始まる“海”は、「私たちの人生は、時に穏やかで、時に荒々しい海の上を旅するようなものです」とのマリーノの言葉通りの起伏に富んだ音楽。明るい未来を描くラストに作曲者と演奏者の思いが見える。スコットランド民謡の旋律美が際立つブルッフ作品は、これを機に全ての音楽ファンに広く知られることを願いたい。古澤巌の演奏も精彩に富み、楽器が艶やか鳴りきっている。