バレンボイムは70年代にシカゴ交響楽団、90年代にベルリン・フィル、2010年代にシュターツカペレ・ベルリンと3度のブルックナー交響曲全集を完成させている。今回廉価盤になって再発売の2度目の全集には交響曲9曲のほかには合唱曲“ヘルゴラント”のみが収録されている。この曲は1度目の全集にも収録されている。この曲を2回も録音していてバレンボイムがこの曲にどれだけ思い入れがあるか分からないが、ブルックナーの完成された最後の曲でシンバルの一撃で最高潮に達する荘重な合唱はまるで交響曲のアダージョを聴いているかののよう。録音の少ないこの曲だけでも買う価値ありの全集。
ダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)指揮『ブルックナー:交響曲全集』“ヘルゴラント”の貴重な音源も収めたベルリン・フィルとの共演盤
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