ブルックナー生誕200年の今年は最新録音ばかりでなく過去の名盤の復刻もいくつか行われたが、それらの中でもこの復刻は白眉! 初のSACD化により音質は従来より大きく改善し、さらに演奏の素晴らしさが際立った。当時のテレフンケンによるこの1963年のベルリン・フィルとの録音は、ブラームスやベートーヴェン等と並ぶ両者の重要な音源のひとつであり、当時録音自体が少なかった第6番の貴重な録音でもあるため、この盤にスポットが当たることは嬉しい限り。まだローカル色を残していたベルリン・フィルの骨太な音色がここまで再現できた今回の復刻は出色であり、ファンならずとも広く勧めたい。
ヨーゼフ・カイルベルト(Joseph Keilberth)『ブルックナー:交響曲 第6番』63年、ベルリン・フィルとの骨太な録音 初SACD化で際立つ演奏の素晴らしさ
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