昨今各メーカーから初期デジタル録音のSACD化が進行している中、まさかの高音質化が実現! カラヤン存命中でちょうどベルリン・フィルの複数の後継者候補のひとりであったマゼールが、翌1989年に録音した第8番(今回同時発売)と合わせ、本気でやる気を出していた(!)際の最重要録音が、この第7番だったのではないだろうか。最重量級で世界一高機能なオケをここまでコントロールした才覚は今聴いても驚きであり、その後のマゼールの活躍を見るにつけ惜しいと言わざるを得ないが、ここでの音楽は紛れもなくブルックナー演奏の最高峰のひとつと言えるだろう。高音質化による再評価を促したい。