2作目『Empire』(2006年)からアルバムが5枚連続で全英チャートNo.1を獲得し、国民的バンドとして人気を博してきたカサビアンだが、一昨年にヴォーカルのトム・ミーガンが脱退。それでも曲作りの要であるギタリストのサージ・ピッツォーノがフロントに立つことで危機的状況を脱し、その後のツアーも成功に導いて、このたび5年ぶりのアルバム完成へと漕ぎ着けた。今回はヒットメイカーのフレイザーT・スミスを共同プロデューサーに招聘して緻密なアレンジを構築。根幹にあるギター・ロックにサージらしいヒップホップやエレクトロなどの影響も投影して仕立てられたエモーショナルなバンド・サウンドには、試練を乗り越えた者たちならではの集中力が宿っている。……と言いつつ日本語の声ネタにはビックリ!