8BITゲーム「アストロ忍者マンDX」のBGMを集めたサウンドトラックが登場
レトロゲームのファンでなければ今もファミリーコンピュータ(FC)向けに新作が発売されることがあると知らないだろう。任天堂公式ではないが同人サークルや個人で新作が時おり発売されているのだ。2020年5月に発売されたシューティングゲーム「アストロ忍者マン」は局所的に大きな話題を呼んだ。追加要素を加えた「DX」「EXA」が発表された今年、遂にサウンドトラックも発売される。ステージ1の並木学、ステージ2のBunの音楽もそれぞれ個性があって面白い(並木のボス戦の音楽は、某ファストフード店でポテトが揚がる音が引用されていたりとエンタメ性高し!)が、本作の実質的なメインコンポーザーはFC時代の伝説的シューティングゲーム「サマーカーニバル’92 烈火」でテクノをゲーム音楽へ取り入れた日本における先駆者として知られる塩田信之だ。短いサウンドエフェクトなどを含めた全21曲のうち13曲、収録時間にして半分以上を担当している。このゲームのプロデュース/グラフィック/演出を担う漫画家のRIKIとは過去にも仕事をしているが、RIKIが「烈火」のファンであることから、そのテイストを最終面とそのボスの音楽にリクエスト。塩田は(インベーダーの発展型である)「ギャラクシアン」の敵が落ちてくるサウンドを「烈火」のテクノ的なクラブミュージックに落とし込むことで、新しくも懐かしい新曲を生み出している。初代には収録されていない「DX」「EXA」の楽曲も塩田が手掛けているのだが、これらが音楽的には最大の聴きどころになっている。音楽制作の経緯は「ゲームラボ 2022春夏」に掲載されたRIKIと塩田の対談に詳しいのだが、その中で塩田は本作のステージ3の音楽を担当した齋藤博人(FCの楽曲制作はほぼ初)の音楽を聴いたことで、もっと面白いことが出来るのではないかと気付いたのだと語っている。作曲家同士が刺激を与え合うことで、ほぼ40年前のゲーム機の可能性が今も新しく掘り下げられるのだから面白い。
INFORMATION
【収録内容】
1. FC-Nova(RIKI ROGO)
2. Astro Ninja Man(TITLE)
3. To Battleground(START)
4. m4k1b1sh1 4t4kkv(STAGE 1)
5. w41rvd0 d4nsv(STAGE 1 BOSS)
6. NINJA NO ICHIGEKI(STAGE 2)
7. Heavy love planet(STAGE 2 BOSS)
8. Breakthrough(STAGE CLEAR)
9. Heart ignite(STAGE 3)
10. Chaotic battle(STAGE 3 BOSS)
11. Utsusemi(GAME OVER)
12. Max G(STAGE 4)
13. Ushitora(STAGE 4 BOSS)
14. Xinobeast(DX STAGE)
15. maimashikikoto(DX BOSS)
16. Suppasteps(EXA STAGE)
17. Magamagashikikoto(EXA BOSS)
18.The Victory Song(ENDING)
19.Respond, Over(NAMEENTRY)
20.Sound Effects(EFFECT)
21. DEMO NIx5NINJAMAN(ボーナストラック)