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感想を受け止める気持ちもあるけど今のクマリも見てほしい、葛藤しています

――ステージと客席の間だけは入り込む余地がないですもんね。チームも一新され、今は大きな目標に向かって動いているわけですが、現在のグループについてはどう思っていますか?

「あまりいい流れではないと思ってます」

――そうですか。これにも色んな意見がありますね。なぜそう思いますか?

「いい流れを作るチャンスをいっぱいいただいているんです。でも、ファンの人の増え方を見ると、うーんっていう。

今と前では感覚が違って、それまでは渡されたものをなにも考えず、怒られないようにやってきたんですけど、今は褒めていただいたり、これをやると疲れちゃうから誰々がやっておくよと言っていただける優しさがあるんですね。私はその優しさに甘えているんじゃないかと思ったりして」

――かといって追い込まれたくはないでしょう。

「追い込まれたくはないんですけど、甘えることで勢いがなくなってたらどうしようって思うんです。自分にはファンの人が減っているように見えるので」

――それはどういうところで見えるのでしょうか。例えば、あの人はクマリデパートのことをずっとツイートしていたのに全然呟かなくなっちゃったな、とかですか?

「というのがいくつもあるんです。ほかのメンバーのなかでも、最近来ないと思ったらあっち行ってるみたいだよ、みたいな話があったり。それでなにがダメなんだろうと考え込んだりしちゃって」

――せっかく環境がよくなってきているなかで、そっちが気になってしまうという。

「はい。自分の歌にしても、今よくなってると思っているんですけど……クマリから別のところに流れてしまった人がこの前の配信ライブの感想を呟いてくれていて、〈いつからマナちゃんはあんな歌い方になったんだろう〉というのを見つけてしまって。ショックでした。生で見てないからかなと思いつつ、たしかにあそこは違う歌い方のほうがよかったのかもしれないなと思ったりして。ちゃんと受け止める気持ちもあるけど、今のクマリも見てほしいという気持ちもあるしで、葛藤しています」

 

新しい人にも知ってもらえる転換期なのかな

――自分のパフォーマンスはよくなっている自覚があるんですよね。どう変わりましたか?

「以前の発声法はかなり喉に負担をかけていたんですけど、今は響く感じの歌い方をしたり、苦手だったダンスも基礎練を始めたり、音をもっと聴くようにしているんです。

だから自分でもなにがダメかわからないんですけど、昔からのファンの人たちからしたら、クマリのなにかが変わっているように見えるみたいで。それは悩ましいんですよね」

――精神的にもつらかった時期の方をよしとされても、それは間違いなく変えないといけなかったことですから。

「それがすごいつらいです。変化するのがこわいという気持ちもわかるんですけどね。私たちは今のスタッフさんたちにサポートしてもらえて幸せなんですけど、それをわかってもらえない人がいるのは悔しいし、悲しいなと思います」

――たまたま目に入るツイートは気にしすぎないほうが精神衛生的にもいいんじゃないのかなと思います。

「気にしいなんですよね。左右されたくないんですけど、その一個が積み重なるなと思ってしまって。

でも、今の体制になってからクマリデパートを好きになってくれた人もいるんです。だから、もしかしたら転換期なのかもしれないですね。新しい人にも知ってもらえる時期なのかなって」

 

涙を見せるのは嬉しい時だけ

――メイさんが言っていましたが、ツアーで初めて会って、そこからライブに通ってくれる人もいるわけで。ポジティブ要素を見ていく方がいいのかもしれないですね。

「はい……。メイちゃんのことをひつじって呼んでるんですけど、ひつじとはこれからのクマリをどうしたらいいかとかも話し合ってます。

メンバーも話を聞いてくれますし。ナコさんは誰かがちょっとでも落ち込んでいるのがわかると〈大丈夫?〉って声をかけてくれたりするんです。ナコさんはメンバーだけじゃなくてスタッフさんのちょっとした変化も気づくので本当にすごいなと思います」

――それは素晴らしい。しかし、話を聞けば聞くほどにみなさんの繊細な面が浮き彫りになりますね。

「だからこそクマリのよさがあると思うんです」

――たしかに。この性格だからこそのハッピーなパフォーマンスだと考えるとどれだけ深い表現なんだと改めて思います。

「本当にそうですよね。でも、私たちを見て暗い気持ちになってほしくないので、そういうことは関係なく、ただ無心で見てハッピーに思ってもらえるのが正解だと思います。

私もネガティブな部分は出したくないんですけど、メンタルが弱すぎて、MC中に感極まってすぐ泣いちゃうんですよね。それでファンの人が心配してくれることもありました。それはいいんだか悪いんだかと思うけど、やっぱりクマリ的には悪いんだと思います。ハッピーを届けるグループなので」

――それだけでもグッときちゃいますが、そんなに強くならなくても、とも思います。

「でも、2022年になってからは、泣くのを見せるのは嬉しい時以外はなくなりました」

――それはなによりです。メンバー同士の関係性はどうでしょうか?

「普通に仲いいです。小田ちゃんはここ1年くらいで仲よくなりました。最初は壁があって先輩と後輩という感じだったんですけど、話していくうちに素を出してくれるようになりました。

前はひつじ以外には敬語で話していたんですよ。でも、今年の夏くらいから自然と全員タメ口で話すようになって。たくさん話していくなかで〈ありがとうございました〉の〈ございました〉が煩わしくなりました(笑)。ずっと呼び捨てでいいよ、タメ口でいいよって言われてはいたんですけど、なかなかそこまでは辿り着けていなかったので、その意味では深まったと思います」