SALU COMEDY One Year War/トイズファクトリー(2014)

BACHLOGICOHLDという前作からの布陣にSALTWATERも加え、引き続きワンマイクを貫いたセカンド・フル・アルバム。内省に傾いた作品と捉えたがる向きもあるだろうが、シアトリカルですらある独自性も成長させながら、しなやかなポップネスも脈々と息づいた力作となっている。

 

 

自身のフェチズムに基づくノヴェルティー・ラップ的な作風も相変わらず絶好調のサード・アルバム。趣向を凝らしてトピックを飽きさせずに聴かせるあたりは堂に入ってきた感じだ。DJ TY-KOH十影SEEDAを交えて故人に捧げた“Ballin' Like BIG-T”はもちろん重要な聴きどころ。

 

 

自身のミックスCDで披露してきたエクスクルーシヴなビッグ・コラボをまとめ、さらに新曲も山盛りに投入した大盤振る舞いな一作。AKLOSIMONの“ウルティマ ノチェ(最後の夜)”をはじめ、"E"qualYOUNG FREEZのビカビカなダーク・チューンが最大の聴きもの。いい曲が揃ってます。

 

 

AKLOを招いたJIGG製の先行ヒット“100”は最高のバンガーだったが、このファースト・アルバムではアゲすぎない全体のバランスでリリック面に意識を向ける配慮も。A-KAYMONBEEといった覚えとくべき俊英の起用もあり、客演上手なY'Sが“Be Right”で少し違う濃密さを出してるのもポイント!

 

 

野放図に自由な絵を描いてみたような、メジャー・デビュー・アルバム。同時期に出たKOHHのアルバムと人脈的には近いようであるが、パーティー・チューンとの思わぬ相性もあって、参加者の顔ぶれから受ける印象そのままにならないハンドリングの巧みさがニュー・ヤンキー。ノー・マイルド。

 

 

BACHLOGICとJIGGの二頭体制で生まれた大傑作『TWICE BORN』に続き、さらなる破壊と再生のプロセスを試みた意欲的なサード・アルバム。SONPUBのトラップ・バウンスも最高にカッコいいが、アルバム・トータルで見ればJIGGの仕事ぶりが最高か。レーベル移籍後の展開にも大いに期待したい。

 

 

〈解禁〉と言ってもいいほどの間の良さでフィーチャリング仕事が世に出まくったタイミングで登場のファースト・アルバム。各所で見せつけるブッ飛び具合とは異なり、ドロリとメランコリックで素朴な素顔を開陳。OMSBとのまさにドラッギーな合体劇など、どうにもクセになる名品だろう。

 

 

久々の登場となった人気ミックス・シリーズ第3弾。ちょうど鎖GROUPの動きが話題になったタイミングで、MC漢のエクスクルーシヴ“証明”を収録したのも何かの采配か。総じて世に出て間のない楽曲も多く、現場ノリをパッケージに落とし込んだ執念も凄まじい。アグレッシヴ!

 

 

DJ HAZIMEによる人気シリーズの最新作。幕開けのDABOMACKA-CHINSUIKENSWORDによるエクスクルーシヴ“東京弐拾伍時”はBACHLOGIC製のビートもNMU感を如実に引き立てる出来映え。今回も縦横無尽に時代を行き交う作りながら、2000年代初頭のノリがカッコ良く響いてくる。

 

 

鎖GROUP入りも発表されて周辺がザワついてきた好機にベスト盤がリリースだ。ルードな振る舞いが絵になる“悪党の詩”などの人気曲はもちろん、ドラマティックな“I'M BACK”のように入手困難なシングル曲も収録! 黒いユーモアも内包したキャラ立ちと、そこからブレない佇まいがかっこいい。

 

 

KOWICHI THE DINER WESTAHOLIC/Pヴァイン(2014)

DSの新作にも招かれた彼が旬の雰囲気を纏うまでになってきたのは、この2作目が契機だったはず。好相性のZOT on the WAVEKNUXとイケイケなノリで暴れつつ、Y'SやMoNaDJ PMXとの絡みも上々だ。なお、配信ではYOUNG HASTLEとKOHHを新たに交えた“BOY FRIEND #2”のリミックスも話題に。

 

 

318の総合プロデュースによって完成された初のオリジナル・ソロ作。A-THUGやKOHH、LA BONOMONY HORSE、さらにはボスのRYUZOKOJOEに至るまで、アクの強いゲストだらけだが、それに劣らぬ主役のタフネスがヤバい。ZEUSJAZEE MINORを交えての“Same”にはスタンダード感すらある。

 

 

別掲の映画「TOKYO TRIBE」で主演を務めるYOUNG DAISがタッグという形でPMXとガチンコでコラボしたミニ・アルバム。N.C.B.B.の時ともソロ作ともまた違う、いい意味で肩に力の入ったDAISの振る舞いがかっこいい。ふだんアピールすることのないPMXの振り幅の広さも窺える充実盤だ。

 

 

都内を中心に大小のクラブでレギュラーを持ち、AISHAのバックDJも務める彼女の初オフィシャル・ミックスは、秋口の空気感に寄り添うメロディアスなドライヴ仕様。AKLOやYOUNG DAIS、YURIKAMUROZOらの楽曲が並ぶなか、KOWICHIの“BOY FRIEND #2”がピックされているのも女性目線ゆえか。

【参考動画】DJ YUI PEACOCKの2014年作『HOLIDAY SUNSET DRIVE!!』に収録されている
鋼田テフロンを迎えたAKLOの“YOUR LANE”

 

 

ラップや歌も含めて一人何役もこなす彼は、PMXとは違う角度からウェッサイ流儀を進化させてきた重鎮だ。ロマンティックなラヴソングと軽快なパーティー・ファンク、ロウなバウンスという魅力は今回も全開。KOHHとHORIを招いた“MIX GRILLZ”では若いギラギラ感も己のグルーヴに吸収している。

 

 

ミックスDVD+CDという人気シリーズの最新弾は、引き続きWESTAHOLIC総帥のFILLMOREが担当。Cherry BrownKUTS DA COYOTEらの進化型ウェッサイ定番をはじめ、KOHHとKayzabro、Y'Sが眩しいコラボを果たしたDJ KEN WATANABEの光りモノ讃歌“G.O.L.D. PART 2”もここでチェックできる!