純粋なオリジナル・アルバムとしては14年ぶりとなるが、マイペースな御大の中性的ですらある妖美さがソフトな音世界を包み込んでいる。デヴィッド・ガーフィールドと共同制作した穏やかな表題曲をはじめ、シンプルな作りだからこそタイムレスな音像の説得力が増して響いてくるのだろう。〈大御所〉の一言では語れない独特の情緒が渦巻く傑作。