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近年のスティーヴ・ルカサー~TOTOと日本のAOR~シティ・ポップを橋渡しする作品たち

竹内まりや 『Miss M』 ARIOLA JAPAN(1980)

デヴィッド・フォスターが初めて手掛けた日本の女性アーティスト作品。A面にあたる前半が彼とジェイ・グレイドンの主導するLA録音サイドとなり、ルカサーやジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイトらが参加……と、同年に出たエアプレイのアルバムと同じ演奏陣が居並ぶ。彼らの演奏は当時の日本のシーンに大きな刺激を与えたはず。

 

尾崎亜美 『HOT BABY』 ポニーキャニオン(1981)

デヴィッド・フォスターが全曲のアレンジを担当したLAレコーディングの名品。こちらもジェイ・グレイドンやトム・キーンらと並んでTOTOからルカサーとジェフ・ポーカロが演奏にフル参加している。ファンキーで小気味良い“キャッツアイ”やタイトなロックンロールの“Prism Train”ではルカサーのプレイも光る。

 

河合奈保子 『9 1/2 NINE HALF』 Tower to the People/コロムビア(1985)

さまざまな良品でアルバム・アーティストとしても再評価されている彼女。これはフンベルト・ガティカ制作による2度目のLA録音作で、デヴィッド・フォスター軍団がさまざまな形で大挙参加している。TOTOのマイク・ポーカロが演奏に名を連ねるなか、“FINDING EACH OTHER”ではルカサーが珍しくデュエット・ヴォーカルで参加!

 

黒住憲五 『PILLOW TALK』 コロムビア/Tower to the People(1989)

80年代前半からエアプレイ~TOTOの影響下にあるサウンドで本場への敬意と憧れを表現していたシンガー・ソングライターだが、こちらはデヴィッド・ガーフィールドのプロデュースによるLA録音が実現した名作。ジェフ・ポーカロやマイケル・ランドウ、エイブラハム・ラボリエルらを招き、メロウで爽快なAORマナーを存分に響かせる。

 

JOHN MAYER 『Sob Rock』 Columbia/ソニー(2021)

まるでCharのようなジャケ……なんてのは言い過ぎだが、あの頃のコマーシャルなロック・マナーに看板から中身までオマージュを捧げた好盤。ギター・プレイやシンセ使い、サウンドのスケール感など端々に往年の魔法を手繰り寄せるかのような手腕を見せ、それでいてモダンなセンスは流石だ。TOTO丸出しな“Last Train Home”もある。

 

TOTO 『With A Little Help From My Friends』 The Players Club/Mascot/ソニー(2021)

無期限活動休止中だったバンドが2020年11月に開催した配信ライヴの模様を収めた一枚で、結果的には現在の再始動に繋がった重要な転換点でもある。ルカサーとジョセフ・ウィリアムス、さらにゲスト扱いながらもデヴィッド・ペイチが登場し、新体制でのメンバーや多くのフレンズも交えて往年の名曲を聴かせてくれる。

 

STEVE LUKATHER 『I Found The Sun Again』 The Players Club/Mascot/ソニー(2021)

別掲のジョセフ盤と同時リリースされたTOTOスピンオフ作品のひとつ。こちらはミュージシャンシップの高さを象徴するかのようにスタジオ・ライヴ形式で録音され、スコア確認後のテイク2での一発録りによって出来上がったそう。ケン・フリーマンがプロデュースにあたり、新生TOTOのジョン・ピアースやリンゴ・スターも参加!

 

JOSEPH WILLIAMS 『Denizen Tenant』 The Players Club/Mascot/ソニー(2021)

86年から3代目ヴォーカリストとしてTOTOに参加し、紆余曲折あって再始動後もコア・メンバーに名を連ねる名シンガー。12年ぶりとなったこの最新ソロ・アルバムはTOTOの新旧ファミリーからルカサーやデヴィッド・ペイチ、サイモン・フィリップス、レニー・カストロ、さらにマイケル・ランドウら人脈と人徳を窺わせる豪華な共演作に。

 

DAVID PAICH 『Forgotten Toys』 The Players Club/Mascot/ソニー(2022)

TOTO創設メンバーのひとりであり、現在ツアーからはリタイアしたもののバンドの重要人物であり続けているデヴィッド・ペイチが、50年に及ぶキャリアで初めて作ったソロ・アルバム。古今のファミリーはもちろんマイケル・マクドナルドからブライアン・イーノまでが参加。人々が感じるTOTOらしさの一端はここに表現されている。

 

TOMI MALM 『Coming Home』 Contante & Sonante/Pヴァイン(2020)

往年のAORへの愛と敬意を表現するフィンランドの鍵盤奏者/プロデューサーによるセカンド・アルバム。ランディ・グッドラムやマリリン・スコットといった重鎮からオーレ・ブールードやアンドレアス・アレマンなど新世代の面々までが麗しい音世界で自然と隣り合っている。表題曲ではルカサーがギターをプレイ。

 

CHAMPLIN WILLIAMS FRIESTEDT 『Carrie』 LA Project/ソニー(2023)

元シカゴのビル・チャンプリンとTOTOのジョセフ・ウィリアムスが、ウェストコースト愛に北欧の才人ピーター・フリーステットと組んだプロジェクトでの最新EPがこちら。ゲストには元シカゴのジェイソン・シェフ、北欧からはトミ・マルムも参加した、まさに時代も国境も縦横無尽に越えた現在進行形のAOR作品がここにある。

 

STEVE EATON 『Steve Eaton』 Mountain Bluebird/Pヴァイン(1980)

このタイミングで23年ぶりにリイシューされるとのことでご紹介! カーペンターズへの楽曲提供でも注目されたというアイダホ在住のシンガー・ソングライターによるセカンド・アルバムで、いわゆるブルーアイド・ソウル的なAOR~ソフト・ロックがメロウ&グルーヴィーな意匠で収められている。スティーヴ・ルカサーもギターで参加!