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連載

どの『TOTO IV~聖なる剣』よりも優れた音質――40周年SACDで聴く生々しさとマジカルな音響空間

【SACDで聴く名盤】第13回

ストリーミングなどで音楽を手軽に聴けるようになった現在、高音質でじっくりと音楽を味わいたい方も多いことでしょう。そんな方にタワーレコードがおすすめしているのが、SACDというフォーマットです。この連載〈SACDで聴く名盤〉では、そのSACDの楽しみ方をお伝えしています。13回目に取り上げるのは、ロックやAORの金字塔で、近年再評価の気運も高まっている『TOTO IV~聖なる剣』(82年)。“Rosanna”“Africa”などを収録したこの名盤の発表から40周年を記念して、このたび〈40周年記念デラックス・エディション〉がリリースされました。そこで、本作のSACD 5.1ch ハイブリッド盤について、音楽/オーディオライターやラジオDJとして知られる岩田由記夫さんに解説してもらいました。 *Mikiki編集部

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タワーレコードのYouTube動画〈高音質のCD? 「SACD」とは《Q&A編》〉

TOTO 『TOTO IV~聖なる剣 40周年記念デラックス・エディション』 ソニー(2022)

 

82年のシーンを代表する名盤が豪華盤に

2022年はTOTOが結成されて45周年となる。そんな中、82年の大ヒットアルバム『TOTO IV~聖なる剣』(以下、『聖なる剣』)が〈40周年記念デラックス・エディション〉でリイシューされた。CDとしてもSACDとしても聴けるSACDマルチハイブリッド仕様のディスク、7インチの紙ジャケット仕様、そして82年のジャパンツアーの縮小パンフレットなどてんこ盛りと言える封入特典付きの豪華盤となっている。

『聖なる剣』がいかに人気を集めたかは、収録された“Rosanna”が全米シングルチャート2位、“Africa”が同チャート1位に輝いたことからも分かる。また82年度のグラミー賞では最優秀アルバム、最優秀レコードを含む6部門を受賞している。『聖なる剣』が発売された82年にはジョン・クーガー・メレンキャンプの『American Fool』、エイジアのファーストアルバムなども人気となったが、セールス面やグラミー賞の場では圧倒的に勝っていたと今、振り返ると言える。まさに82年の音楽シーンを代表するアルバム、それが『聖なる剣』なのだ。

『TOTO IV~聖なる剣 40周年記念デラックス・エディション』収録曲“Rosanna”“Africa”

コアなロックファンの中にはTOTOのようなスタジアムロック~商業的ロックを批判する声もある。だが、発売から40年が過ぎた今、改めて『聖なる剣』をじっくり聴き直すと、このアルバムは80年代初期のアメリカ音楽シーンを象徴する名作だったとぼくは思う。こんなにポップで多彩な顔~サウンドを持つアルバムはロック史上でも数少ない。

それでもこのアルバムは順風満帆の中で作られたわけではない。サードアルバム『Turn Back』(81年)はセールスが今一つ不振だった。TOTOが米コロムビアと契約したのはアルバム4作分。もしこの4作目のアルバムがヒットしなければ契約の延長はないという瀬戸際に追い詰められていた。だから音楽面のリーダーでメインのソングライターであるデヴィッド・ペイチ、名ギタリストのスティーヴ・ルカサー、スティーヴ&ジェフ・ポーカロ兄弟らは、TOTOとして持てる全てを『聖なる剣』に注ぎ込んだ。そういった底力が結実した名盤が『聖なる剣』とも言えよう。