晩秋のビルボードライブに、豊潤なブラジルの風が吹き込む――日本のボサノヴァシーンを牽引し続ける小野リサが、今年も3都市を回るビルボードライブツアーを開催する。サウダージな息づかいと軽やかに爪弾かれるギターの音色でオーディエンスを共鳴させる小野リサのビルボードライブツアーは、2023年11月17日(金)の横浜公演を皮切りに、11月22日(水)に大阪、11月25日(土)に東京にて行われる。
小野は、ブラジル音楽やボサノヴァに軸足を置きながらも、近年ではJ-Popや歌謡曲、ソウルからハワイアンまでさまざまなジャンルの音楽をボサノヴァ的に解釈し、昇華させてきた。そんな懐の深さと音楽への愛に満ちたボッサディーヴァのライブを、ぜひこの機会に堪能してほしい。
62年、ブラジルのサンパウロに生まれた小野は、日本に移住する10歳までブラジルの空気をめいっぱい吸い込んで育った。音楽に囲まれて育った小野は、15歳になるころには自然とギターを弾きながら歌うことを始め、音楽の道を歩みはじめる。
幼少期のブラジル生活で自然と身についたブラジル土着のニュアンスが新鮮に響いたファーストアルバム『カトピリ』を89年にリリースすると、翌年にはセカンドアルバム『ナナン』を発表し、同作は日本ゴールドディスク大賞のジャズ部門を受賞した。
そんな国内での評価の高まりとあわせて、ボサノヴァを代表するアーティスト、アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ドナート、オスカー・カストロ・ネヴィスとの共演も果たし、本場ブラジルのボサノヴァシーンからも刺激を受け続けてきた。
ポルトガル語を主とする小野は、いかなる言語でも、その歌声の温度感が一定だ。ボサノヴァを歌う上でその繊細さは特別重要で、立ち上っては儚く消えていく甘い香りのようなボーカルは、英語詞をメインにアメリカのスタンダードナンバーをカバーした『Jambalaya -Bossa Americana-』(2006年)や、昭和歌謡の名曲カバーを中心に構成され、日本語詞の奥深い表現にも注目な『愛から愛へ~愛の讃歌~』(2019年)など、その膨大なディスコグラフィを追いかけることでも体感することができる。
彼女のステージは、甘やかでゆったりしたニュアンスとともに、どこか緊張感も感じさせる。その緊張感は、演奏の〈ライブ感〉から生まれるものだ。生演奏だからこそ際立つ爪弾かれるギターの繊細さと小野の歌声の魔術的なまでの誘引力によって、息をのむような瞬間が続く。この緊張感と祝祭感あふれるカラッとしたブラジルの情調がステージで交差することで、独特なグルーヴが立体的に立ち上がるのだ。
ブラジルで生まれたボサノヴァが小野の身体を経由し、新たな形で結実するステージ。それは〈新しい感覚〉という意味を持つボサノヴァの精神をそのまま再現をしているようである。今回のビルボードライブツアーを直接体感すれば、きっと観客全員が〈新しい感覚〉を味わえるはずだ。
LIVE INFORMATION
小野リサ
Lisa Ono
2023年11月17日(金)ビルボードライブ横浜
1stステージ
開場/開演:16:30/17:30
2ndステージ
開場/開演:19:30/20:30
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=14445&shop=4
2023年11月22日(水)ビルボードライブ大阪
1stステージ
開場/開演:17:00/18:00
2ndステージ
開場/開演:20:00/21:00
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=14444&shop=2
2023年11月25日(土)ビルボードライブ東京
1stステージ
開場/開演:15:00/16:00
2ndステージ
開場/開演:18:00/19:00
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=14443&shop=1
サービスエリア/カジュアルエリア:8,900円/8,400円(1ドリンク付)
※本公演はClub BBL会員、および一般販売をWEB受付のみ実施いたします
※法人会員は電話にてご予約承ります