2023年も残りわずか。ビルボードライブでは年末にかけて注目ライブが目白押しだが、そのなかでも11月～1月にかけて初登場となる3組の公演を紹介する。
まずは2022年にデビュー15周年を迎えた、波多野裕文（ボーカル／ギター）、福井健太（ベース）、山口大吾（ドラム）によるポストロックバンドのPeople In The Box。今年5月にはコロナ禍を経て最初のアルバムとなる『Camera Obscura』をリリースし、それに伴うツアーも成功させた。
2023年11月24日（金）にビルボードライブ大阪、12月9日（土）にビルボードライブ東京で開催される今回のツアーは〈PITB Billboard Live 2023〉と題し、両日ともに1日2セットずつで演奏を届ける予定だ。
彼らの音楽は新作を聴けばわかるように、必ずしも〈ロック〉だけでは括れない独特な音像を持つ。2023年の締め括りにライブハウスとは違ったクラブ空間で、3ピースサウンドと持ち味の歌をどう聴かせるのかは見どころのひとつとなるだろう。とはいえ〈箱の中の人々〉という意味でいえば、どんな立体内でも演奏に関係がない可能性もあるが――。
そんなバンドの〈出方〉も含めて楽しみな公演である。
続いて紹介するのは、Galileo Galileiの尾崎雄貴（ボーカル／ギター）と尾崎和樹（ドラム）、そして同バンドのサポートメンバーでもあるDAIKI（ギター）によるバンド、BBHFによる公演〈Neighborhood〉。2016年のGalileo Galileiの活動終了後（2022年より活動再開）、翌年にBird Bear Hare and Fish名義での活動を経て、2019年以降は頭文字を取ったBBHFとして活動している。
2023年にはEP『4PIES』を発表し、〈愛〉をコンセプトにした一夜限りのワンマンライブを恵比寿LIQUIDROOMで開催。そのセットリストから“愛の続き”がYouTubeにアップされたばかりなので、そちらもチェックしてほしい。
2023年12月11日（月）のビルボードライブ横浜、そして2024年1月9日（火）のビルボードライブ大阪での公演は、サポートメンバーとしてNewspeakのYohey（ベース）、Galileo Galileiの岡崎真輝（ベース）を加えた5人編成でのパフォーマンスとなる。
BBHFはGalileo Galilei以上に明確なコンセプトを持つ楽曲＝作品が多いだけに、ライブも異なる熱気が渦巻いている。例えるなら直線的なGalileo Galileiに対して、BBHFは曲線も織り交ぜた、よりグルーヴィーな熱を体感できるだろう。
演奏メンバーの増員の意味はいまだ謎に満ちているが、きっと本公演は彼らの新たなモードを目撃する機会になるはずだ。
