偶然手にとった一冊が人生を変えることがある。この作品にはそうなり得る、残酷なまでのリアルさが詰まっている。舞台は大阪。ディープ・サウス。死んだ親が遺した借金を返済するため売人に身を落としている主人公・雪人(ゆきと)がラッパーとしてステージデビューを果たすところまでを描いた第一巻。ザラザラでヒリヒリしている巧みな人物描写、メンター役のフィメールラッパー・リリーの描写も秀逸。巻末、初ステージ登壇後の語りシーンで、思わず落涙してしまった。音楽が救うものは? 貧困、友情、壮大なドラマの幕開けだ。続きが気になって仕方ない。今後漫画賞レースで話題をかっさらうであろう作品。
薄場圭「スーパースターを唄って。1」波乱万丈な主人公はラッパーとしてどう生きる? 話題のコミック第1巻は落涙必須
ジャンル
書籍