普段着の2023年
selected by 照沼健太
https://music.tower.jp/playlist/detail/2000150207
年末のバタバタで働かない頭で思いつく曲を片っ端から突っ込んだ、反射神経による〈2023年のマイベスト邦楽ソング〉。絶対いろんな曲を忘れていると思いますが、パッと思いついた曲だけを入れたので、〈よそ行き〉的にカッコつけずに選んだ曲が揃っているはずです。2023年はこの数年でもトップクラスに音楽が楽しい年だったと思いますが、それは邦楽、とりわけJ-POPフィールドでもその傾向が強かったと思います。
2023年の句読点(遅めのBPMで)
selected by 松永良平
https://music.tower.jp/playlist/detail/2000150206
レコードでDJをするんですけど、今年はディスコをたくさん買ったし、どちらかといえばギリギリ踊れるくらいの〈ゆるディスコ〉を選んでました。表現者でも市井の人でも、社会や自然が(良くも悪くも)進むスピードの速さが実生活のテンポともはや大きくズレて後戻りは不可能なことを実感していると思うんですけど、それに対する抗いみたいな気持ちが〈ゆるディスコ〉にあるのかどうかは不明です。プレリストに選んだ曲は別に〈ゆるディスコ〉縛りってわけでは全然ないですが、ちゃんと呼吸するための2023年の句読点(遅めのBPMで)にはなってる気がします。
68年、熊本県生まれ。ライター/編集/翻訳/雑事。著書に「ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック」(晶文社)。2024年3月までKBS京都ラジオで「松永良平の 6時だョ!3345ー!」毎週土曜日18時に放送中。
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我的好曲2023(1.0)
selected by 小池直也
https://music.tower.jp/playlist/detail/2000150205
個人的な琴線に触れた曲をピックアップしました。判断基準は日本語の曲で音色やリズム、言葉にフックがあるキャッチーなもの。今売れる曲といえば“Just The Two Of Us”系=“丸の内サディスティック”系のコード進行がほとんどですが、来るAI時代はますます似た構造の音楽が増えると思われます。未来のポップソングに個性を持たせるにはプロンプトやリリックなど、〈言葉〉をどう扱うかが鍵になっていくかもしれません。その点では特にe5、7のまるでトー横的な世界観が刺さりました。なお運悪くリアルタイムで出会えなかった曲が必ずあるはずで、訂正余地が無限にあることを考慮し〈1.0〉としています。
蜃気楼に浮かぶ〈日本〉のポップミュージック
selected by 柴崎祐二
https://music.tower.jp/playlist/detail/2000150204
西洋ポップス(産業)の覇権が崩れ、アフリカやアジア、中南米など、様々な地域から発信される音楽が多方向的に行き交う昨今。グローバリゼーションの敷衍は逆説的にローカリティを召喚し、各地域の文化に内在する伝統や記憶を新たな文脈のもとに呼び起こす。日本はどうか。英米産ポップミュージックの圧倒的な影響下にあったこの数十年を経て、その成果を排除することなく、同時にポストSNS時代の〈グローカル〉を反映した音楽は存在可能なのか? ここ数年そういった音楽が、アンダーグラウンドシーンを中心に姿を表しつつあるように思う。蜃気楼の揺らぎとともに、ときに意図されぬものとしってひっそりと。ときにまた、くっきりと。
音楽ディレクター/評論家。単著「ポップミュージックはリバイバルをくりかえす 「再文脈化」の音楽受容史」(イースト・プレス)ほか、編著「シティポップとは何か」(河出書房新社) ほか、連載〈未来は懐かしい〉(TURN)〈その選曲が、映画をつくる〉(NiEW)ほか。
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