小沢健二、GEZANマヒトが歌う新曲“Noize”と“アルペジオ”“いちょう並木”のライブ音源を収録したEP『東大900番講堂講義』をリリース

小沢健二

小沢健二がニューEP『東大900番講堂講義 ep』を昨日1月12日にリリースした。

小沢健二の新曲“Noize”を含むEP『東大900番講堂講義 ep』。本作の配信が、各サブスクリプションサービスでスタートしている。

“Noize”は、小沢のオフィシャルサイトで、非圧縮・高音質のWAVのストリーミングで歌詞とともに2024年1月2日から公開されていた曲だ。この曲のメインボーカルを務めているのは、なんと小沢ではなく、ロックバンド・GEZANのフロントマンとしても知られるマヒトゥ・ザ・ピーポー。何も知らずに曲を聴いたファンはあきらかに小沢のものではない歌声に驚き、SNSを中心に〈いったい誰が歌っているのか?〉と推測がなされていた。

小沢は“Noize”においてコーラスとギター、ホイッスルの演奏を担当しているそうだが、ソロアーティスト名義の楽曲を別のアーティストが歌うというスタイルは前代未聞。この形式を選んだ理由について、小沢は次のように説明しているとのこと。“Noize”と2018年にリリースした“アルペジオ（きっと魔法のトンネルの先）”がともに自身の学生時代の感情をモチーフにした楽曲であることを踏まえて、今回のマヒトゥ・ザ・ピーポーの起用は“アルペジオ”のラップパートに二階堂ふみと吉沢亮が参加した手法を推し進めたものだそうだ。

「そういう自伝的な歌詞が『アルペジオ』と『Noize』なのですが、それを今の自分が歌うのはどうも合わない気がして、録音で世界を作れるならば、他の人のほうが良くない?映画監督が自伝的な作品を撮る時、自分役を俳優さんにお願いしない?みたいな発想で『アルペジオ』で初めて、二階堂ふみさんと吉沢亮さんに自分の声をお願いするという暴挙に出ました。この『俳優型』には手法的な突破感?ブレイクスルー?があって、『Noize』ではさらにラディカルな形になっています」（小沢健二／2024年1月5日更新のSNSより）

小沢は、2023年9月に母校の東京大学で学生たちを前に講義をおこなっており、“Noize”はその講義で披露される〈劇中歌〉として制作された曲だという。彼はこの曲の成り立ちについて、「東大での講義を若い頃のぼく（『LIFE』期のオザケンも含めて）が受講して、部屋に帰って書いた」設定の曲であると語っているとのこと。

“Noize”は、同じく講義で演奏された既存曲“アルペジオ（きっと魔法のトンネルの先）”と“いちょう並木のセレナーデ”が、“River Suite 川の組曲”として演奏された2022年のライブ音源とあわせて、EPという形で今回リリースされた。