表題のジャズ歌謡に始まり、加川良“こんばんは お月さん”のカヴァーに終わる構成が作品の在りようを語る新作。戦後、パンデミック後と状況は違えど復興を模索する時代を、大小の哀しみを抱えて生きる個人を優しく照らす歌集に集結したのは、伊賀航、植野隆司、マヒトゥ・ザ・ピーポー、冬にわかれての2人ら間違いない面々。柔和な音像に浮かぶ清らかな孤独に涙。