怒りの幕開けから『Saviors』登場まで――過去と現在を行き交う2020年代のグリーン・デイ!

2016年の前作『Revolution Radio』に続くセルフ・プロデュース作品で、パンクを根源へ遡ったガレージやグラム寄りの音を10曲26分の尺でタイトに表現している。『American Idiot』を無造作に汚したジャケは、その路線を待望視されることへの意志の表れだったのかも。

コロナ禍の自粛期間中に公開してきた宅録カヴァーをまとめたソロ作。選曲はジョン・レノンやビリー・ブラッグ、ジョニー・サンダースらのロック~パンク古典が中心で、自身がバンドを始める前年のバングルス“Manic Monday”(86年)以前の曲で固められているのもおもしろい。

2003年に『Money Money 2020』をリリースしたきり消えていた謎のトリオが、同作中で告げていた2020年11月に突如投下した2作目。ディストピアに向かう社会への警告を、防毒マスクやイーロン・マスク、陰謀論者らを主題にニューウェイヴ・パンクなサウンドで繰り出してくる。

ツアー・ギタリストのジェイソン・ホワイトやエンジニアのクリス・ドゥガンらとビリーが組んだバンドのライヴ盤。彼がオークランドで経営するライヴ・スペース兼バーで2020年1月に収録され、スウィートとビッグ・スター、チープ・トリック、モンキーズのカヴァーを聴かせている。

ロブ・カヴァロと制作した95年作の、ヴァイナルのみで出た25周年記念エディション。『Dookie』の爆発的なヒットに伴って〈セルアウト〉視に苛まれていた当時の心の揺れも垣間見える内容で、この記念版ではプラハでのライヴ音源がボーナス収録されている。

BBCのメイダ・ヴェール・スタジオにて94~2001年の間に行われた計4回のライヴ・セッション音源から16曲をコンパイルした公式盤。ブレイク直前から世界的なバンドになっていく過程の姿が演奏で記録されているわけで、初期の録音からは独特の緊張感が伝わってくる。

ストリングスを用いたアコースティックな“Good Riddance (Time Of Your Life)”がヒットした97年作の25周年記念盤は3CD仕様。曲調の幅を意欲的に広げるべく練り込まれた作品だけに未発表曲やデモなども充実している。コステロやラモーンズのカヴァーにも注目。

問答無用の世界的ブレイクを果たした94年作の30周年記念エディション。4CDには初出のデモやアウトテイク、〈ウッドストック1994〉などのライヴ音源が山盛りで、ロブ・カヴァロのライナーノーツなど資料価値も高すぎる。『Saviors』が控えているから少し早めに出したのかも。

こちらはオマケで、ビリー・ジョーの次男であるジェイコブが率いるポスト・パンク・バンドの初作。もともと父母兄と組んだザ・ブーでキッズ時代にバンド・デビューしていた人だが本作では完全に独り立ちし、モダンな意匠でニューウェイヴ色の濃い音をポップに聴かせる。