デヴィッド・クローネンバーグ監督が映像化が極めて難しいとされたウィリアム・バロウズの実験的手法カットアップで書かれたポストモダン文学の最高峰「裸のランチ」を題材に再構築したオリジナル作品。そもそもバロウズの作品を映像化しようとすること自体が無謀と思われるが、幻覚的で独創性溢れる世界観を独特のクリーチャーで見事に作り上げている。害虫駆除の仕事に従事する小説家志望で麻薬中毒の主人公が商売道具の殺虫剤を試したことによって謎の都市インターゾーンに迷い込むがそこは魑魅魍魎が跋扈する街だった。特典映像にはメイキングと監督みずからの音声解説があるのは嬉しいところ。