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北爪「そういやレッド・ツェッペリンはどうです?」

六角「『Physical Graffiti』はよく聴いたな。レッド・ツェッペリンはさ、1曲に収めるには過剰すぎるような曲があるのが不思議で面白いんだよ。曲の途中に入る繋ぎの音とか」

北爪「ツェッペリンってロックンロールやったりブルースやったりブリティッシュフォークやったりして、ちょっと一筋縄ではいかないバンドですよね」

LED ZEPPELIN 『Physical Graffiti』 Atlantic(1975)

六角「当時はロックってのが自分の中でもよくわかってなかったんだけど、ただ『Physical Graffiti』はあんまりロックっぽいロックじゃないなと思ってた。“Black Dog”とか“Rock And Roll”が入ってた『Led Zeppelin IV』はすっごいカッコいいと思ったんだけど、『Physical Graffiti』は2枚組だし、なんだか神秘的だなと思ったんだよ。やっぱりわかんなかったんだろうなぁ」

LED ZEPPELIN 『Led Zeppelin IV』 Atlantic(1971)

北爪「難解だった?」

六角「そう。だからツェッペリンはちょっと難しいなというところで止まってる。うーん、他にあの頃って何を聴いてたんだっけなぁ……」

北爪「当時のベストセラーだとピーター・フランプトンの『Frampton Comes Alive!』とか?」

六角「あれは友達に借りた。すごく売れてたんだけど、入らないなぁ。あ、フリートウッド・マックの『噂(Rumours)』は素敵だなぁと思った」

北爪「大幅にメンバーチェンジしてからの無茶苦茶ヒットしたアルバムですね」

六角「ロックもあればメロウな曲やアコギの曲もあって、出来のいいアルバムだねえ。“Go Your Own Way”とかさ、そりゃよく聴きましたよ」

FLEETWOOD MAC 『Rumours』 Warner Bros.(1977)

北爪「じゃあ10枚に入るかも?」

六角「入らないです(即答)」

北爪「ええっ」

六角「好きだったけど10枚には入らないな。あれ、いま5枚くらいは決まったんだっけ?」

北爪「えーと、どうだっけな(酔ってきて思い出せない)」

六角「じゃあちょっとトイレ行ってくるわ」

 

というわけで、結局のところ、この時点でどのタイトルを選出したのかよくわからないままですが、次回につづきます(次回は10枚出揃います)。

 


PROFILE: 北爪啓之
72年生まれ。99年にタワーレコード入社、2020年に退社するまで洋楽バイヤーとして、主にリイシューやはじっこの方のロックを担当。2016年、渋谷店内にオープンしたショップインショップ〈パイドパイパーハウス〉の立ち上げ時から運営スタッフとして従事。またbounce誌ではレビュー執筆のほか、〈ロック!年の差なんて〉〈っくおん!〉などの長期連載に携わった。現在は地元の群馬と東京を行ったり来たりしつつ、音楽ライターとして活動している。NHKラジオ第一「ふんわり」木曜日の構成スタッフ。