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このアルバムは今の僕そのもの

――絵画運動の〈野獣派〉を意味するフランス語『フォーヴィスム』というアルバムタイトルはどのように決まったのですか?

「少し前にアンリ・マティスの展覧会を見て感動したんです。どうやらその印象が頭に残っていたらしくて、平野さんから〈アルバムタイトルはどうする?〉と言われたときに、咄嗟に『フォーヴィスム』というワードが口をついて出てきちゃったんです。そうしたら平野さんが〈それ、イケてる!〉って(笑)。即興だからそもそも曲名はないので、アルバム全体を“組曲「Fauvisme」”という組み立てにしました」

――今回は全編アコースティックギターによる演奏ですが、ファンの中にはエレクトリックギターでロック色の強いプレイを展開する鬼怒さんの印象が強い方もいらっしゃると思います。タイプの異なる楽器を、鮮やかに弾き分けるコツは?

「アコースティックギターとエレキギターで自分が目指す良い音を出すには、シンプルに弾き方から考えを変えないとダメなんです! たとえばディストーションをかけてエレキギターを弾く場合、弾いていない弦の共鳴を抑えるためにミュートをしなければいけないし、逆にアコースティックギターの場合はできるだけ弦の共鳴を抑えないようにすることでリッチな音になる。その楽器から良いサウンドを出すことを考えて、僕は(エレキとアコースティックの)演奏をしています。2つの楽器、それぞれで自分のイメージするベストな音を引き出したいですから」

――最後にリスナーへ一言お願いします!

「このニューアルバムは今の僕そのものです。ぜひ楽しんでください!」

 


RELEASE INFORMATION

鬼怒無月 『フォーヴィスム』 Days of Delight(2024)

リリース日:2024年7月11日(木)
品番:DOD-045
価格:2,750円(税込)

TRACKLIST
組曲「Fauvisme」
part I / part II / part III / part IV / part V / part VI / part VII / part VIII

(2024年3月26日 東京・岡本太郎記念館にて収録)

■演奏者
鬼怒無月 acoustic guitar

 


PROFILE: 鬼怒無月
高校から音楽活動をはじめ、1990年にリーダーバンド〈Bondage Fruit〉を結成。〈Scandinavian Progressive Rock Festival〉(スウェーデン/1998年)、〈Prog Fest ’99〉(サンフランシスコ/1999年)に招かれるなど、海外でも高い評価を受ける。このほか独自の視点でタンゴを再解釈する〈Salle Gaveau〉、現代的なアプローチでロックに切り込む〈Coil〉など、数々のユニットを舞台に音楽表現の新たな可能性を追求している。プログレッシブロックを出自に唯一無二の表現世界を進化させ続ける鬼才ギタリスト。

 

■Days of Delight
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC7MpSLaYNmXaeb_XlUjJTrw/videos
オフィシャルサイト:https://daysofdelight-music.amebaownd.com/