
我が強い4人の個性がぶつかる作曲法
――続いて、曲について訊いていきます。まず、ソングライターが3人いることも暴動クラブの強みだと思うのですが、作曲方法はクレジットされているメンバーが原型を作り、4人で肉付けしていくようなイメージですか?
城戸「はい。コードとかリフとか構成とかを作曲者がある程度決めてきて、みんなで作り上げていくイメージですね」
マツシマ「ダメ出しし合いながらね(笑)」
釘屋「みんな我が強いから、やりたいようにやって、いちばんカッコいいヤツにしようと。そういうプロセスですね」
――となると、作曲した人の当初のイメージとはぜんぜん違うものになることも?
マツシマ「ほとんどの曲がそうですね」
――なんとなく、城戸さんが書いた“ロケッツ”とか、そうなのかなと思っていました。シンプルな曲なんですけど、メンバーの個性のハイブリッド感があって新鮮に響きます。
城戸「まさに、この曲がその典型だと思います。最初は『爆裂都市 BURST CITY』という映画のサントラに入っている“セルナンバー8(第8病棟)”みたいな、シンプルなパンクで1分半くらいで終わる曲に仕上げる予定だったんです。でも、鈴木の持ってきたドラムのフレーズから始まって、どんどん変わっていきました」
鈴木「日常的にタバコを吸ったり散歩したりしながらリフを頭の中でリピートしていた中で、〈あっ、このドラムいいじゃん!〉って思いついたのが、城戸の言うパンクっぽくない感じだったんです(笑)。けど、やってみたらよかった」
城戸「最後には鍵盤の音まで加えてね」
釘屋「ザ・ストゥージズの“I Wanna Be Your Dog”的な。一聴した感じは単純だけど、いちばんクリエイティブな曲かもしれない」

バンドの力を底上げした〈眞鍋塾〉
――ほかに作曲者の想定から離れていくことでおもしろくなっていった曲となると、どれですか?
城戸「“いとしのクロエ”かな」
――“いとしのクロエ”、すごくいい曲ですよね。グッとくるロックンロールバラード調と空間を感じる音響のマッチングが沁みました。
マツシマ「結成当初に作って、一度レコーディングしてライブでもやっていたんですけど、いつしかやらなくなった曲ですね。でも、アルバム収録曲の選曲をするにあたって、僕らのルーツをわかりやすく提示するというテーマに沿った時に、50年代の王道コード進行の曲ということもあって再浮上しました」
城戸「スタジオに置いてあったHarmonyというメーカーの60年代のベースを借りて、眞鍋さんのアドバイス通りに小さい音で弾いてみたら、素晴らしい音が出て感動しました」
マツシマ「ギターの揺らぎには、ビンテージのVOXアンプについているトレモロを使いました。最初は軽くかけていたら、眞鍋さんが〈もっといってもおもろいんちゃう?〉って言って。言われた通りにやってみたら、めちゃくちゃよくなりました。
“カリフォルニアガール“は、眞鍋さんが〈アコギの弾き方がなっとらん!〉って教えてくれたことをもとに練習したらかなりよくなった曲です。バンドの力を底上げしてくれたことに、あらためて感謝ですね」
釘屋「“カリフォルニアガール”にはアコギが入っているから、アルバムの中で流れを変える曲になっています」