昨年の復活作に続き、なんとアルバム2枚が同時リリース。ラディカルで実験的な『MANSTER』、過去の記憶や心象風景に基づくパーソナルな『MANTRAL』と二極的なカラーはあるが、実際は相互の作風が入り混じり、それぞれに深みを与え合った印象だ。USにUK、日本の新旧ロックを血肉にしたバンド・サウンドとエレクトロニクスに、アニメや小説、戯曲などから得たインスピレーションを惜しみなく注いだ、重層的でイノセントな音世界が広がる。そこに同郷のタカハシメイ(LAUSBUB)が数曲で重ねた声も、涼しい風を吹き込むかのよう。バンドとして新たな黄金期を迎えつつあることがわかる2作品だ。