
まるで台湾のレコード屋のような特設CDコーナー
〈台湾音市 Vol.1〉は、日頃から台湾音楽に親しみ、情報通のファン層からも高い評価を得ています。開催に合わせ、タワーレコード渋谷店の1Fと6Fには台湾CDの特設コーナーが設置されました。出演者の作品はもちろん、〈第14回 金音創作奨〉で〈ベストバンド賞〉を受賞したThe Loophole(露波合唱團)や、昨年のメン・アイ・トラストの台北公演で前座に抜擢されたi’mdifficult(我是機車少女)など、注目アーティストの作品が網羅されました。
台湾音楽オンリーのオールジャンルDJイベント〈台北コーリング〉を主催し、台湾CDの熱心なコレクターでもあるyukiは、特設コーナーについて「インディーロックからオルタナ、エレクトロまでジャンルが多彩で、まるで台湾のレコード屋にいるようなセレクトに本場の雰囲気を感じました。作品やアーティストを知らない人にも、POPでイメージが掴みやすいよう配慮されていて、タワレコの意気込みが伝わってきました」と語ります。
また、2日目と3日目に参加したyukiは、パフォーマンスを披露したアーティストについて、「日本ではまだあまり知られていない若手にフォーカスしており、とてもチャレンジングな試みだと思いました。日本のお客さんが初めて見る台湾のアーティストの演奏に引き込まれる瞬間を目の当たりにしたとき、日本における台湾音楽の可能性を感じました。ぜひVol.2も開催してほしいです」とシリーズ化への期待を示しました。

タワレコ渋谷が日台の音楽的ハブになりたい
タワーレコード渋谷店がこのような〈チャレンジングな試み〉に踏み切った理由について、販促専任部長の吉田淳は、「渋谷店はアジアのインディーミュージックに目を向けており、その第一歩として〈台湾音市 Vol.1〉を開催しました。リスクではなく、将来性を考えての判断です」と語ります。
インバウンドの影響もあり、近年は外国人客が増え、日本のレコード店文化を語る上で象徴的な存在となっているタワーレコード渋谷店。〈台湾音市 Vol.1〉の出演者の多くは、そんな場所でライブを行うことに対して感慨深い思いを抱いているようです。P!SCOのメンバーはインタビューで、「以前から日本に遊びに来た際はタワーレコードでCDを買っていたので、今回自分たちのCDが陳列されているのを見た時はとても感動しました」と語っていました。
タワーレコード渋谷店でのライブの魅力について、吉田は「さまざまな国の方が訪れる店舗ですので、多くの方の目に触れるチャンスになると思います」と話します。また、〈台湾音市〉の定期開催にも意欲を示し、「渋谷店が日台の若手バンドと音楽ファンをつなぐハブとなり、日台のファンが見たいライブや欲しいパッケージ(CDやカセットなど)を提供していきたいです」と続けました。
現在進行形で何かが起こっている台湾音楽
〈台湾音市 Vol.1〉の出演者は、それぞれジャンルが異なり、一見統一感がないように見えますが、その多様性こそが台湾シーンの魅力であることに改めて気付かされました。したがって、台湾音楽は全体像を捉えにくいものですが、LEIGHT NINEのルークはインタビューで「台湾の音楽には生き生きとした複雑さがあり、言語化は難しいのですが、とても自然なことだと感じます」と語ります。
また、台湾の音楽の特徴について尋ねると、「今まさにそれを探求している最中で、まだ答えはありません。LEIGHT NINEの制作の原動力となっているのも、この探求心が理由です」と話しました。この姿勢に共感する台湾のアーティストは多いでしょうし、〈現在進行形で何かが起こっている〉ワクワク感に心が動かされる3日間でもありました。
今後も台湾ならではの独創的なアーティストが続々と登場し、日本のみならず世界へ羽ばたいていくことに期待します。