
大人になっても未だに〈変な子〉
――ちなみにテーマ的なことで言うと、〈DEAD〉と〈LOVE〉の関係みたいな意識はありました?
「前作は『DEAD』って銘打った割に、J-POPに収まる範囲でちょっと変だったり暗かったりする音楽性に留まってしまったという印象があったんです。けど、『DEAD』を出した後にもっと行き切りたいというか、もっとやりたいことが出てきて、『LOVE』はより変な方向に向かったんですけど、タイトルでごまかしました(笑)」
――確かに『DEAD』と『LOVE』って並ぶと対極の作品なのかなと思いますよね。
「『LOVE』の方が前より聴きやすい感じなのかなって思ってほしくて(笑)。そこは自分のひねくれてるところっていうか。最初はもっとグロいタイトルにしようとも思ってたんですけど、出来上がった時に〈や、これで『LOVE』の方がおかしいよな〉って思って(笑)。まんまのタイトルを付けるより、『LOVE』の方がむしろ気持ち悪いかなって思ったんですね。全然愛について歌ってないし(笑)」
――じゃあ楽曲の“LOVE”は別にタイトルチューンのつもりで作ったわけではないんですか。
「まずCwondo君に“あな”の方を送ってたら、返事がすごい早くて。日付は変わってましたけど、その日のうちに返ってきたぐらいにすぐだったんです。〈こんな感じで進めて行こうと思うんですがどうですか〉という曲を聴いた時に〈すごい!〉と思って、それがこのアルバムで一番最初に形になった曲だったので、それを聴いた時にタイトル曲もCwondo君にやってほしいなって思って。
“あな”の次は憲太郎さんたちのバンドとの2曲を進めてたので、タイトル曲を作るかどうかもちょっと迷ってたんですけど、その間にどんどんほかの曲が仕上がっていった過程を見て、やっぱ“LOVE”って曲作りたいなと思ったんですよね。当初はもっとふざけた“LOVE、チュッチュ♡”みたいな曲を作ろうかなとか思ってたんですけど(笑)、なぜかこうなっちゃいましたね」
――(笑)。歌詞通りに受け取るとこの曲の主人公はクラスで浮いてて、もしかしたらいじめに遭ってるのかなというふうに聴けるんですけども。
「まあ、私は物心ついた時から浮いてはいましたね(笑)。お母さんの友達とか出会った人みんなに〈変な子〉って言われてたので。自分でもまあ変なんやろうなとは思ってたし、大人になって人と一緒に過ごすことでちょっと改善されてるのかなとか思ってたんですけど、でも小籔(千豊)さんにも〈変な子〉って言われて。小籔さんってたぶんめっちゃ変な人にたくさん会ってるはずやから……(笑)」
――相当変な子だったと(笑)。
「そう(笑)。小籔さんが私を人に紹介する時とかにキャッチコピーみたいな感じで言われてて。でも自分は自覚がないし、なんなら結構ちゃんとしてるかなぐらいの感じやったんで(笑)、未だにそうなんだな、浮いてるかもなってたまに感じますね」
――ややこしい恋愛をしている人をモデルに書いていた『DEAD』に比べて、『LOVE』の歌詞はどっちかというとご自身に近い感じですか?
「そうかもしれないですね」
――なるほど。ちなみに憲太郎さん、さとしさんとAcidclankチームにはどれぐらいのデモを渡したんですか?
「基本的にはリズムとかベースとか、あと簡単なコードも入れてお送りしてはいたんですけど、ベースは憲太郎さんがそのままに近い形で再現してくださって、それもまた意外やったなと思いました。
私、ベースのことなんてまったく分からなくて、〈こんな感じかな?〉ぐらいの感じで打ち込んでたんで、憲太郎さんが聴いたらおかしいって思うのかなって心配してたんです。〈再現できひんぞ〉ってなるのかなと思ったら、逆に〈自分の発想から出てこないベースラインだから面白い〉と言ってくださって。
さとしさんやAcidclankのYota Moriさんもデモを結構尊重してくれてたんですけど、レコーディングで最後にMoriさんが上モノをどんどん入れてって、編集してたところで全て壊れました(笑)」
――全て壊れた(笑)。
「元の印象と全然違った形になって。でもそれが私的には嬉しかったです」
――確かに“EFFECT”はかなりぶっ飛んでますよね。