カルト的人気を誇るブランドン・クローネンバーグ監督の3作目。罪を金と代替の死で罰を償えるなら、人はどこまで暴虐の限りを尽くせるのかと思わせてくれる作品。殺人を犯しても自分のクローンを作成し、クローンが処刑されれば無罪放免となる法律が存在する架空のリゾート地。バカンスで訪れ、殺人を娯楽とするミア・ゴスが率いるブルジョアグループに目をつけられ、虐待される主人公の作家が理性を失い狂人化していくのだが……。両主役のミア・ゴスとアレクサンダー・スカルスガルドの狂気的な演技は一見の価値があります。サイケデリックで実験的な映像表現も、この映画の見どころです。