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坂本龍一+高谷史郎《LIFE—fluid, invisible, inaudible...》
2007/2023年〈Ryuichi Sakamoto|SOUND AND TIME〉展示風景、
成都木木美術館(人民公園館)、2023年画像提供:成都木木美術館

作品として、そこに〈ある〉こと

細井「高谷史郎さんの舞台作品《Tangent》で、史郎さんから「ここは坂本さんと美裕ちゃんの時間だからね」と言われたシーンがあるんです」 *註:細井さんは同作品にパフォーマーとして出演しています

畠中「それは自分で考えなさいってこと?」

細井「考えなさいというよりは、そういう場所だと思っていいよと受け取りました。私がレディオ・サカモトにデモテープ送ったことがあるんですが、それが番組で取り上げられた際に、坂本さんが私の曲に足すとしたらどんな音か、という話をしてくださったんです。結局それは実現しなかったんですが。そういうことがあったので、そのシーンは、その時に実現しなかった坂本さんとの共演を、高谷さんが、舞台上で実現してくれたように感じました。とはいえ、《Tangent》では、もともと私は演じていないんです。演じるという才能もないし。高谷さんは一切それを私に求めていないから」

畠中「作品に存在することで、今度は坂本さんの音に細井さんの存在が加わったということもできますね」

細井「《IS YOUR TIME》で、東日本大震災で被災したピアノがインスタレーションの一部として設置してあって、それは見ているというよりは、自分がそこに行ったという感覚になるんです。私は高谷さんと坂本さんが一緒に作った作品には、場所をつくる、場所にする、という特徴があるのではないかと思っています」

畠中「震災以降、坂本さんの社会的な活動が活発化するにつれ、芸術表現も社会的な活動も、全部坂本龍一による活動なんだという思いが強くなっていきました。あらためて坂本龍一という一人の人間の思考がインスタレーションとして実現しているように感じます」