ビートルズに影響を受けたバンドに受けた影響
――ザ・フーやザ・クラッシュの名前が挙がりましたが、個人的に気になるのは“サルスベリ”や“再生”などで聴けるビートルズの要素なんです。意識することはありますか?
YONCE「意識するかというと……微妙だよね?」
祐輔「たぶんしてない」
大内「溶け込みきってる(笑)」
祐輔「当たり前すぎて……」
大内「特に栗田兄弟ですね。Gliderはものすごくビートルズ・リスペクトを感じるバンドだし」
YONCE「そうだね。録音芸術の極みとしてビートルズを聴き込んでる2人だから、ネタや大喜利的に要素が出てくる。もちろんビートルズ以外の要素もあるし、2人はDJ感覚でパーツを切り取って作ることが得意で板についているんですよね」
将治「“マンション”のスライドギターはジョージ・ハリスンのイメージだったし、意識はしていたかも。“カーテンコール”は10年ぐらい前に作った曲で、コード進行は“Sexy Sadie”とかの影響はあるのかもしれません。影響は絶対にありますが、ただ“再生”はオマージュだとも思っていなかったですね」
祐輔「ビートルズっぽくしよう、という話はしていないですね」
YONCE「“カーテンコール”のデモはピアノの伴奏だったからね。RECしてみたらモータウンっぽいソウルナンバーになった」
大内「ソウルシンガーってけっこうビートルズやジョン・レノンの曲をカバーするじゃないですか。ビリー・プレストンのソロ作品とかダニー・ハサウェイの“Jelous Guy”とか。僕はそういう曲が好きで、その感じは出たかも」
YONCE「おもしろいね。ちょっとひねったビートルズ感はあるかも。あと“地球(仮)”は、ショーン・レノンが属していた90年代アメリカのオルタナシーンや界隈を意識していましたね」
大内「ドラムの音はまんまそうですね。テーム・インパラとかのサイケデリアにも通じる要素ですが」
祐輔「XTCとか、ビートルズの遺伝子的な音楽が会話に出ることは多いかも。ビートルズに影響を受けたバンドを参照するから、結果的にビートルズの影響なんですけど(笑)」
YONCE「ビートルズが俺らのルーツかはわからないけど、ビートルズから派生した音楽がめちゃくちゃ好きなんですよね」
将治「ただ“再生”は、UKのビートルズじゃなくアメリカンポップやオールディーズのメロディやコード進行と日本の歌謡曲を意識したかも」
YONCE「『アメリカン・グラフィティ』的な40s、50sの時代の感じね」
井上真也がベースを弾いた“Mission Sofa”の秘話
――あと個人的に“Mission Sofa”がすごく好きで、レディオヘッド経由のジャズのような演奏ですよね。
祐輔「最初にYONCEから歌詞をもらって、その詞もエディットしながら曲をつけていき、みんなでいじくり倒して出来た曲です」
――井上真也さんがベースを弾いていらっしゃいますが、フレットレスですか?
大内「そうだった……ような?」
祐輔「誰もちゃんと見てない(笑)」
大内「うまいな~! これ弾けるんだ?と思って見ていました。本村から直々のオファーだったんです。Burgundyという別のバンドで一緒にやっていて、ベーシストどうし親交が深いんですけど、〈あのフレーズを弾くのは自分より真也くんのほうがいい〉と」
将治「でも、ソロは思いつきで弾いているよね」
祐輔「お題はもっちゃん(本村)がいろいろ言っていたけど」
大内「ジャコパスみたいに、とか」
将治「侍みたいだったね。〈お願いします〉ってオケを流して、最初は弾かなかったんです。何回か聴いて、弾きはじめたらすごく早かった」
大内「ガチのプロだからね。ただ〈スタジオに遊びに来ません?〉って騙すように誘って、来てもらってから〈この曲をお願いしたい感じなんですけど……〉ってドッキリみたいな依頼の仕方をしちゃった(笑)」
――井上さんの縦笛はなぜ入ったんですか?
大内「……なぜでしょうね?」
YONCE「たまたま持って来ていたから(笑)」
将治「あれこそ1テイクです」
YONCE「祐輔が書いた曲の世界にすごくマッチする笛のフレーズがいきなり一撃で出てきて、すごかったです」