今回の課題盤
「今回ね、ちょっとやらかしちゃったんですよ(笑)」
――やらかしちゃった? どうしました(笑)?
「盤を選んで、さっき電車に乗りながらどういうふうに喋ろうか考えてたんですよ。そしたら〈これ、喋ったことある気がするな……〉と(ニヤリ)」
――ハーッ! 出た!
「で、bounceを調べたら、だいぶ前に紹介してたんですよ(笑)。うっかりしてました」
――ちなみに何にしようと思ってたんですか?
「スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンの『Fresh』です。2012年に取り上げてました」
――あー、やりましたね(笑)。
「ウォー!と思いまして。で、今日たまたまなんですけど、この後に取材があって……これ知ってます? 通称8トラっていう……8トラック・プレイヤー※というものです。これがいちばん見た目のいいNational製なんですが、僕これを色違いで3台持ってるんですよ。テープをこのプレイヤーにガシャン!と入れて聴く」
※65年に開発された、ステレオ録音された音楽を収めたテープを再生できるプレイヤー。70年代後半まで普及していた模様
――ワー! こんなの初めて知りました! どこで手に入れたんですか?
「僕はMUROさんの本で初めて知って、ネット・オークションで買いました。テープはたま~にレコ屋に置いてますけど、これもネット・オークションで買うことが多いですね。ドクター・ジョンやザ・フー、ビートルズ……名盤系が多いんです」
――へぇ~、結構充実したラインナップだったんですね。
「もはや店に試聴機がないので、買って帰らないと聴けないんですよ。前にクリームのアルバムを買って家で聴いたらテープが伸び倒してて、この世の終わりみたいな音でした(笑)」
――ハハハ、そういうことも発生しますよね(笑)。実際に聴くというより蒐集して楽しむ感じ?
「うん、コレクターズ・アイテムですね。かつては車にカセットテープと並行して8トラも付いていたらしいんですけど……8トラについては調べてもほとんど情報が出てこないので、実際のところはよくわからないんです(苦笑)。で、まあたまたまこういうのも持ってきていたので、CDじゃないけどこのなかからミーターズ最後のオリジナル・アルバム『New Directions』を紹介しようかなと」
――ミーターズのカセットまであるとは! まあCDでも買えるので全然問題ないですよ。ミーターズはファースト・アルバム『The Meters』をbounce連載の初回に取り上げましたよね。
「そうですね。その後も何度か話に出ていたし、この間紹介したアラン・トゥーサンの作品でバック・バンドをやっていたのもミーターズでした。ちなみにここにあるドクター・ジョンの『In The Right Place』(73年)もミーターズが演奏しています」
――本当にこの連載ではよく名前が出てくるバンドなんですが、Mikikiではちゃんとハマくんから紹介したことがないので、また改めて……。
「同じ話を(笑)」