BUDDHA BRANDの“人間発電所”に衝撃を受けた20代の自分へのアンサーという表題曲をはじめ、人生の苦味を知った語りとその言葉一つ一つが今回も懐の深い人間性を映す8作目。シブい歌唱を全編に響かせる“山王3丁目の夕日”から“NO! NO! NO!”に繋ぐ冒頭からその姿に風格と余裕を感じさせながら、続く“大胆かつ繊細”でとりわけ見せる言葉のチョイスとライミングの妙に改めて彼のラッパーたる所以を見る。ブーミンなトラックにギアが一気に上がる“知らねえ”を筆頭に、四半世紀に及ぶキャリアをもってなお説得力を増す、これぞ昭和の男の矜持ともいうべき一作。