1年8か月ぶりとなる19作目はポスト・パンク~アート・ロック調と形容されそうで、しかしやはりGRAPEVINE以外の何物でもない。円熟味と実験精神に根差した音楽性の深化は留まるところを知らず、一方でいつも以上にスタンダードな名作感もある。風刺と洒落が異彩を帯びた歌詞もまさしく至芸。表題が示すような長い道程を経て到達した、新たなる金字塔だ。