ソニーミュージック、キングレコード、ユニバーサルミュージック、ビクターエンタテインメント、日本コロムビアという大手レコード会社5社から同時リリースされたコンピレーションアルバム『CROSSOVER CITY -Asayake-』『同 -Bon Voyage-』『同 -Mint Breeze-』『同 -Misty Morning-』『同 -Park Avenue-』。昨今、再評価著しい国産フュージョンにフォーカスを絞った作品だ。企画・選曲・解説を担当したのは音楽ライター栗本斉。この5枚のリリースを記念し、以前Jフュージョンリバイバルについての記事を執筆してもらった音楽評論家の柴崎祐二との対談をお届けしよう。それぞれのフュージョン観やシティポップとの関係、再ブームの実相まで幅広く語り合ってもらった。

 

レコード会社の垣根を越え、〈シティポップの次〉を提示する企画

――まずは『CROSSOVER CITY』という企画の背景や経緯を教えていただけますか?

栗本斉「2年前に『シティポップ・ストーリー CITY POP STORY -Urban & Ocean-』というソニーのコンピレーションアルバムを作ったんです。それがヒットしたので第2弾として『CITY POP GROOVY ’90s -Girls & Boys-』という90年代シティポップのコンピも作り、第3弾の企画が持ち上がった時、流れ的に次はフュージョンやろうかなと考えたんですね。当初は以前と同じように各社から音源を借りてソニーから出そうと思っていましたが、ちょっと待てよと。いい音源がたくさんあってもったいないので、各社のカタログセクションに声をかけたんです。そうしたらリアクションがよかったので、5社から一気に出すことになりました。

5社共同って、なかなかない企画なんです。過去には橋本徹さんの〈フリー・ソウル〉や金澤寿和さんの〈Light Mellow〉、僕が2000年代初頭にやっていた〈喫茶ロック〉シリーズはレコード会社の垣根を越えていましたが、最近はあまりない。今回、どの会社もすごくノリがよくて、揉めることなくすんなり決まりました」

柴崎祐二「ここ最近、大手レコード会社が自社カタログの掘り起こしに熱心になっていますけど、まさにその流れを感じさせる一挙リリースだと思いました。いまの時代、新譜のリリースだけではビジネスとして回っていかないという話をよく聞きますし、そういう状況も下地としてあったのかなと」

――数年前、ストリーミング再生される音楽の70%を旧譜が占めているというニュースがありました。最近の事例だとサテライト・ラヴァーズがYouTubeでバズり、ソニーが配信を始めましたね。カタログの回転は、いまレコード会社にとって重要な課題だと思います。

柴崎「ネットでバズった音源の配信や再発はある時期から積極的にやっていますよね。ここ最近は、あらかじめ原盤を掘り返してストリーミング配信し、拡散のための下地を作っておく流れにもなっている。ユーザー側にとっても単純にアクセスが容易になるタイトルが増えるわけで、いい傾向だと思います。ところで、NGを出された曲はありましたか?」

栗本「ありましたよ。誰が権利を持っているのかわからないものもありました。

ただ、比較的許諾はスムーズに進みましたね。例えばユニバーサル盤には井上堯之の“カーチェイス”を入れましたが、あれは映画『太陽を盗んだ男』のサントラの曲で、東宝が原盤権を持っていたので借りることができました。選曲の制約は多少ありましたが、それほど難しさはなかったです」

 

いま聴いて気持ちいいグルーヴィ&メロウなフュージョン

――選曲についてもお伺いしたいです。シティポップ視点でも聴けるグルーヴィなものやメロウな曲が中心になっている印象でした。

栗本「おっしゃる通りです。僕は1970年生まれのバンドブーム世代で、80年代前半の中学生時代はフュージョンブームでしたが、高校・大学生になってバンドを始めた80年代後半はフュージョンは廃れていたので、ネガティブなイメージを持っている人が多いんです。なので自分と同世代の方にも〈こんなにいい曲があったんだ〉と知ってもらえる、いま聴いて気持ちいい曲を集めることがコンピの起点の一つです。

有名無名は考えずに選び、未配信の音源も収録していますが〈レア曲を集めよう〉という意識はない。色々な作品を聴いた中で〈いまならこれ〉という曲をピックアップしています。やはりグルーヴィなもの、メロウなもの、シティポップに隣接したサウンドは意識しました」

柴崎「当時はハードロック的なものとフュージョンって実は意外と近いものだったりしたわけですけど、そういう印象の曲は入っていないですもんね」

栗本「ええ。速弾き系のいわゆるパワーフュージョンと言われる楽曲はないです」

柴崎「プログレ的な要素の濃いものもない。例えば、著名なバンドだとしてもPRISMとかは入っていない、という」

栗本「PRISMは“MORNING LIGHT”というメロウな曲を入れようかと思ったのですが、色々選んでいるうちに外しちゃいました」

柴崎「フュージョンがブームだった当時は何よりプレイヤーに刺激を与えた音楽だったと思うので、リスナー的な視点でメロウなものより、ヴァーチュオーゾ的な派手さがあるものにスポットが当たりがちな傾向があったんでしょうね」

栗本「速く弾けるか、速く吹けるか、といった点が全面に出ている曲も多かったですからね。あと、80年代に入るとシンセが多用されていたじゃないですか。あの音色は10年ほど前だったらアウトだったでしょうが、徐々にアリになった風潮の変化も意識しました」

 

コンピはジャケが命

――70~80年代に主流だったフュージョン像と、それから40~50年経った今の視点の違いがこのコンピには表れていますね。

柴崎「それに、全曲ポップですよね。メロディやハーモニーが現代の感覚に合うし、リズムも、16ビートであってもヘビーなファンク調でなくライトな曲が多い。シティポップの専門家でもある栗本さんの視点を感じる選曲です。

正直、YouTubeなどネットに上がっているものは音の傾向が雑多すぎるので、プロの審美眼によって選曲されている点が大事だと思います」

栗本「それと、こだわった点はデザインやアートワークですね。描いていただいたのはステレオテニスさんという電気グルーヴのグッズのデザインもされている方で、80年代カルチャーに影響を受けているグラフィックアーティストです。いろんなレコードジャケットやサンプルを渡し、80年代のおしゃれなイメージで作ってもらいました。当時のパルコっぽいですよね」

柴崎「オリジナル盤のアートワークは、ぶっちゃけいなたいものが多いですからね(笑)。コンピはジャケット如何で如実に反応が変わるので重要なポイントだと思います。以前橋本徹さんにインタビューした際にも、〈フリー・ソウル〉シリーズが好評を得たのも〈NANAの小野英作くんがデザインしてくれたロゴやアートワークの魅力も大きかったと思う〉とおっしゃっていましたから。かつての『60’sキューティ・ポップ・コレクション』シリーズとか『筒美京平 ウルトラ・ベスト・トラックス』シリーズとかも、ジャケが渋谷系っぽいセンスだったから非リアルタイム世代にアピールしたわけですし。今回の『CROSSOVER CITY』は、業界のインサイダーにとってもコンピ作りの参考になるモデルケースだと思います」

 

80年代初頭の全盛期からバンドブーム以降の沈静化へ

――お2人のフュージョンとの出会いや当初の印象についてもお伺いさせてください。

栗本「フュージョン/クロスオーバーブームが日本で盛り上がったのが80年代初頭とすると、先ほど言ったように当時僕は中学生で、ちょうど音楽を聴きはじめた頃。元々クラシックから音楽に入ったので、キース・ジャレットやチック・コリアからジャズを聴きはじめました。

あとラジオっ子だったので、雑誌『FM STATION』の番組表で青字で記されていたジャズ番組をエアチェックしていました。当時は『クロスオーバーイレブン』などジャズがかかる番組が多く、井上堯之さんが司会だった『Lo-D ライブコンサート』や『セッション○○』のようなライブ番組も多かった。当時は頻繁にフュージョン系の方が出ていましたね。渡辺貞夫さんの『(ブラバス・サウンド・トリップ/渡辺貞夫)マイ・ディア・ライフ』ではジャズからフュージョン、ブラジル音楽まで何でもかかっていて、当時の音楽好きはロックもフュージョンも分け隔てなく聴く感じだったんです。山下達郎とカシオペアのレコードを一緒に買う、ということも普通でした。

それが80年代後半になるに従ってフュージョンやシティポップが淘汰され、より衝動的なロックがかっこいいという風潮になり、僕も自然と聴かなくなりました」

柴崎「僕は、物心ついた頃からフュージョンはすでに縁遠いものでした。ブーム自体を知らないので、それこそT-SQUAREのF1番組の曲(“TRUTH”)のイメージしかなく、あとは吹奏楽部の演奏が上手な部員が好きな音楽という印象でした。自分はもっと昔のロックやソウルの文化にどっぷりだったので、平たく言えば仮想敵でしたね(笑)。

ただ洋楽のフュージョンは、レアグルーヴの流れで意識せず聴いてはいました」

栗本「レアグルーヴ系はフュージョンというよりクロスオーバーと呼ぶべきで、このニュアンスの違いは微妙ですね」

柴崎「そうそう。70年代のロニー・リストン・スミスとかは好きでしたが、80年代のリー・リトナーまでいくと途端にシャットアウトしてしまう感じ……。UKクラブカルチャーがかっこよさの源泉だと思い込んで育った世代なので、レアグルーヴ以降の感覚が一種の呪縛としてある(笑)。当時の感覚としては、ほとんどパラダイムと言っていいくらい。例えばパトリース・ラッシェンは好きだけど、マリーンはどうも……みたいな線引きが明確にありました。いま両方聴くと、なんで分け隔てる必要があったんだろう?と思いますが、国内のフュージョン受容のイメージで勝手にシャットアウトしてしまっていたんですね。

あとは、やはり菊地成孔さんのジャズ観からの影響は巨大でした。なのでエレクトリック・マイルスが最もクールだと思っていたし、日本のフュージョンにもT-SQUAREやカシオペアじゃなく菊地雅章さんの『Susto』から入ったと思います。アバンギャルドな電化ジャズとして聴いた作品がどうやらフュージョンとしても評価されているらしい、といった感じで」

栗本「僕もフュージョンを再び聴きはじめたのが、90年代のレアグルーヴの流れでした。マスターカッツのコンピシリーズで〈ジャップジャズ〉をテーマにしたものもありましたね(1996年作『Classic Jazz-Funk Mastercuts Volume 6 (The Definitive Jap-Jazz Mastercuts)』)。それこそ今回収録した福村博“Hunt Up Wind”などグルーヴィな曲が入っていて、当時は日野皓正『シティ・コネクション』を聴き直してみたり。

その後、沖野修也さんがフュージョンのコンピを作ったり、『Wax Poetics』のコンピにELECTRIC BIRDの大野俊三や本多俊之の曲が入ったりしたことで考えを改めて掘っていきました。ただ、その頃はまだ多くの人がフュージョンを聴いている状況ではありませんでした」

 

UKで高く評価されたJフュージョン

柴崎「まさに僕は、90年代当時にそういう流れがあったことを知らなかったんですよね。それで言うと、プレイヤー志向の強い全盛期のフュージョンキッズの中でも、カシオペアなどがUKジャズダンスのシーンで評価されていたことをわかっていた人は少数だったんじゃないかとも思っていて。日本のフュージョンの曲は、実は80年頃からロンドンなどのクラブでかかっていたという話がありますね。カシオペアのロンドン公演にヒップな客がたくさん詰めかけたとか、そういったことが知られるようになるのは先の話で。

例えば1993年にカシオペアのリミックス集『Recall (Cuts U.K. Remix)』が出てるんですけど、下地となった状況を押さえていないと〈おしゃれなアシッドジャズの人たちが、なぜあのカシオペアを?〉と思ってしまう。僕も、歴史を知っていく中で企画の狙いを理解できるようになりました」

栗本「実際1994、1995年頃にロンドンへ行ってレコード屋を巡っていたら〈Japanese Jazz〉のコーナーがあったので、UKのDJの間では日本のジャズやフュージョンはある程度認知されていたんでしょうね」

柴崎「スノウボーイが書いた『UKジャズ・ダンス・ヒストリー 〜From Jazz Funk & Fusion To Acid Jazz』が資料的に重要で、日本のフュージョン人気に限らず、その辺りのUKジャズダンス文化の詳しい歴史が日本語訳でまとまっているほぼ唯一の本だと思います。本の最後に当時のDJチャートが載っていて、日本のフュージョンの曲もガンガン入っています。そうやってあとから勉強して、興味深い文化だと思いました。〈リスナー視点から日本のフュージョンを評価する〉という審美眼も、その辺りがルーツになっていると思います」

 

現代のギターキッズや吹奏楽部に受け継がれる文化

――シティポップにしても、DJやクラブカルチャーが先行する点はリバイバルにおいて重要ですよね。

柴崎「そう。日本ではフュージョンというとプレイヤーのテクニックとかそれらを競うコンテストとか、そういった実演文化と結びついている印象で、逆に言えば、ある時期までDJ的関心からすり抜けがちだったんですが、そういう日本の状況から遠く離れたUKではクラブやレコード文化と結びついていた。もちろん実演文化としてブリットファンクシーンがあったことも大きかったはずでしょうけど、それもクラブの文化圏と切り離せないものだった。当時の日本のディスコでは基本的に洋楽オンリーの選曲だったのも、自国のフュージョンとディスコ・クラブ文化が融合しづらかった要因じゃないかなと。

プレイヤー文化としてのフュージョンの継承というのは意外なほど根強くて、それこそ自分より下の世代でも岡田拓郎さんやパソコン音楽クラブの⻄⼭真登さんのように、一見フュージョンとは遠いところにいると感じるミュージシャンですら実はフュージョンを通っている例もあるんですよね」

栗本「彼らはどうやってフュージョンにたどり着くんでしょう?」

柴崎「あくまで僕の視点で推察すると、おそらく彼らが若い頃からギターを熱心に弾いていたこと、つまりギターキッズ的マインドと関係していると思いますね。自分も10代からギターを弾いているので鮮明に記憶しているんですが、テクニックを追求しようとすると、とりあえずハードロックやフュージョンが課題として出てくる。

岡田さんは高中正義の“BLUE LAGOON”を聴いてギターを弾きはじめたというし、西山さんは、本人的にあまり誇れる過去だと思っていないようですが、実はめちゃくちゃフュージョン的なギターが達者。そういう楽器文化的なルートは根強く存在しているんじゃないかなと」

――吹奏楽部やジャズ研究会のようなサークル、あるいはエレクトーン演奏出身のミュージシャンは多いですが、そういった技巧が重要な場ではフュージョンの影響が大きいですね。

栗本「楽器を極めつつポップな音楽をやろうとすると、フュージョンに行き着くのでしょうね。ブラスバンドのレパートリーにT-SQUAREの曲が多数選ばれていることが以前から不思議でした」

柴崎「部活や音楽教育の現場で脈々と継承されているんですよね。例えば、吹奏楽部でトランペットを吹いていた人で数原晋さんやエリック・ミヤシロさんの名前を知らない人はほぼいないはず。サックス奏者にとってのMALTAさんもそう。吹奏楽文化外の認知度との違いを考えると、やはり独特の受容の仕方があったんだろうなと思います」

栗本「僕は大学で軽音楽部に入ったのですが、ビッグバンドジャズをやる人もいて、上手い人たちはフュージョンをやっていましたね。自分はベースを弾いていたのですが、チョッパー〈スラップ〉が上手くできないコンプレックスもあって、〈俺はあいつらとは違う〉とか言っていましたよ。またフォークソング同行会というサークルもあり、そちらはさらにフュージョン好きな人が多い印象があったので、自分とは真逆だと感じていました。そんな僕が、まさかフュージョンのコンピを作ることになるとは(笑)」

柴崎「僕も大学時代はロック・パンク系のサークルにいて、粗雑で不健康なほどエラいという価値観だったので(笑)、フュージョンのサークルは遠い世界でしたね。勝手なイメージですけど、スポーツ感覚が強くて、(弾くのが)速い、(音が)高い、フレーズに濁りがない、という価値観が大事にされていた印象です」

栗本「T-SQUAREに『S・P・O・R・T・S』というアルバムもありますね。

そういうところが突出していたので、良質で気持ちいいグルーヴは見過ごされてきた面があった。そこに光を当てたのが今回のコンピです」

柴崎「リスナー視点からフュージョンを再文脈化した、と」

 

高機能BGMとしてYouTubeから世界へ拡散

柴崎「その意味でシティポップブームがあったことは大きいと思いますし、インターネットの影響力はやはり大きいですよね。カシオペアの『MINT JAMS』が数年前からYouTubeでめちゃくちゃ再生されてきたとか、そういう状況が生まれていた。

自分がフュージョンのリバイバルを認識したのもシティポップの流れで、2010年代後半、YouTubeで竹内まりやの“プラスティック・ラヴ”がやたらレコメンドされていたのとほぼ同じ時期だったと記憶しています。“プラスティック・ラヴ”の動画の下に『MINT JAMS』が出ていたんですね。あの当時、シティポップを新しい感覚で聴けるようになったからこそ、フュージョンも〈歌のないシティポップ〉として聴ける感覚になったわけです。

実際、ヴェイパーウェイヴやフューチャーファンクでサンプリングされ、YouTubeなどのプラットフォーム上でもオリジナル音源が浸透し、という流れもシティポップ復権の過程とほぼ同じですし」

――YouTubeなどで日本のフュージョンが広く聴かれるようになったのはここ数年でしょうか?

柴崎「そうでしょうね。当初一部のミレニアル世代の間で角松敏生さんの『SEA IS A LADY』や堀井勝美PROJECTなどが人気を集めていたり、オタクたちは面白さに気づいていた。もちろん、いま言ったようにヴェイパーウェイヴという連動的な現象もあった。そういう流れでインターネットネイティブの感性にフュージョンが浸透していったんだと思います。

菊池ひみこさんなど、プロパーのファン以外や下の世代に知られていなかった音楽家の作品が突如リバイバルしたのは、いかにもネット文化的な意外性があって面白いですね。菊池ひみこさんの『FLYING BEAGLE』は、おそらくジャケのインパクトが大きかったのも要因の一つで、『MINT JAMS』にしろ高中のベスト盤『ALL OF ME』にしろ、ジャケの魅力やキャッチーさが大きくてサムネイル文化と相性がよかったわけです。

フュージョンというのは、先ほど話した楽器演奏文化と結びついているという意味で、もちろんハードリスニングもできる音楽ですが、BGM性も抜群に高いから作業用音楽としてかけっぱなしにすることに適していて、流している間にいつの間にか好きになっちゃう、という回路がある気もします」

栗本「インストのローファイヒップホップと同じ感覚で聴けるんですよね。YouTubeにある外国人のコメントによく〈Chill〉というキーワードが出てくるのは、まさにBGM感覚で聴かれている証拠ですね。あとDJが注目したのは、レコードが安かったからというのもあると思います」

柴崎「そうですね。レアグルーヴは元々安価なレコードの発掘から発展してきたわけですから。ニューエイジリバイバルも同じで、フュージョンもその意味でブルーオーシャンだった」

 

ゲーム文化との意外な好相性

柴崎「あと、ビデオゲーム文化との相性のよさも大きいんじゃないかなと。海外のゲームファンって、妙に日本のフュージョンが好きな人が多いんです。近藤浩治さんが作った『スーパーマリオ』の音楽にTHE SQUARE(現T-SQUARE)の“SISTER MARIAN”のフレーズと瓜二つのものがあったりするんですが、それを海外ゲームファンが熱っぽく解説する動画もアップされています。

他にも、例えばレースゲーム『グランツーリスモ』の音楽をT-SQUAREの安藤正容さんが作曲していたり、実際にゲーム音楽をフュージョン系のミュージシャンが作っていることもたくさんありますし。ミレニアル世代のゲーマーがなぜジャパニーズフュージョンにハマりがちかというと、シティポップとアニメの関係性と同じく、きっと幼少期に刷り込まれていたからで、ノスタルジーも関係しているんですよね」

――わかります。私が子どもの頃に好きだったプレイステーションのRPG「アークザラッド」も作曲が安藤さんで、フレーズが複雑だったり変拍子を多用していたり、サウンドトラックが面白いんです。

柴崎「ミレニアル世代以降の海外フュージョンファンの母体にはアニメなどジャパニーズカルチャーが好きな人たちがいると思うので、ビデオゲーム文化とのリンクも自然に感じます。このコンピの続編があるとしたら、ゲームサントラから選曲してみるのも面白いかもしれませんね」

 

クロスオーバーやジャズファンクと絶妙に異なる音

――柴崎さんは『CROSSOVER CITY』をどのように聴きましたか?

柴崎「さっきおっしゃっていた通り、1970年代生まれの栗本さんの世代的な美意識を感じました。僕と同じ1980年代以降生まれのリスナーはよりベタな電子音やファジーなサウンドに惹かれる傾向があると思うんですが、よりレアグルーヴ的な視点から気持ちいいものが選ばれている印象です。

それらも当然魅力的ですが、個人的な好みで言うと、今回の収録曲では鳥山雄司さんの曲や鈴木茂さん監修の『SUNSET HILLS HOTEL』収録曲、エレクトーン奏者の野田ユカさんの曲とか、80年代後半の音源に惹かれてしまうんですよね」

栗本「なるほど。そこは、僕としてはコンピの中核ではなく、どちらかというと幅を持たせるために選んだところですね。その辺をクローズアップしたコンピがあってもいいかもしれません」

柴崎「80年代半ばから音の質感がガラッと変わりますからね。生楽器の演奏が何よりアイデンティティだったところへMIDIが急速に浸透していくという、ある意味で自己矛盾と言える状況が出てくる。そういう拡散と爛熟の姿が刻まれた音源に魅力を感じるんです。

その点、今回栗本さんが選んだ曲たちは、1980年前後のいちばん美味しい食べ頃のフレッシュなものが多いですよね。逆に70年代半ばまで遡ると〈クロスオーバー〉や〈ジャズファンク〉と呼んだほうがしっくりくる場合が多いわけですが、そういうものもあえて避けているんだろうなと思いました」

栗本「ええ。音の質感がザラついているので、その辺は今回のテーマ上、あまり選べませんでした」

柴崎「それこそストレートなレアグルーヴ的世界になってきますからね」

栗本「収録曲で言うと、鈴木宏昌の“Out Of Focus”はギリなんです。あれはメロウな曲ですが、アルバムの他の曲はファンキーすぎて選べなくて」

柴崎「そう考えると、70年代末~80年代初頭のカシオペアやTHE SQUAREの成功が本当に大きかったんだろうなと改めて思います。そこで潮流がガラッと変わってシーン全体のポップ度が上昇している。

それでも、例えばキングのELECTRIC BIRDレーベルの音源は硬派な本格派ぶりが濃いめに残っていたり、各盤を聴き比べるとレーベルによるカラーの違いが浮き彫りになって面白いです」

栗本「そうそう。ジャズの名残がしっかりあったり本格的なブラジリアンを取り入れていたりするので、個人的にはキングの音がいちばん好みかもしれない」

 

日本のポップスを洗練させたフュージョン出身の演奏家や編曲家

――シティポップとの接点についてはいかがですか?

栗本「スタジオミュージシャンがフュージョンをやっていたパターンは多いですね。寺尾聡をバックアップしていたパラシュートなんかが顕著な例ですが、シティポップのサウンドを作っているミュージシャンはほぼ全員フュージョンをやっていたと言っていいくらい。

シティポップだけでなく、アイドル歌謡の曲にもフュージョン人脈は参加しています。松田聖子には日野皓正が曲を書いてますね(“夏服のイヴ”)。そもそも松田聖子作品のクレジットだけ見たら、フュージョンとほぼ変わらない。中森明菜の“ミ・アモーレ〔Meu amor é…〕”の作曲は松岡直也ですし、特に80年代前半、フュージョンとシティポップ、歌謡曲は密接な関係にありました」

柴崎「演奏力の高いフュージョン系ミュージシャンがニューミュージック全般の制作現場で重用されていたし、彼ら自身もそういった仕事をガンガンこなしていた。だから、メインストリームのポップスの中にフュージョンのエキスやイディオムが滲み出ていたのは当然だと思います」

栗本「プレイヤーだけじゃなくアレンジャーもそうで、例えば今回“Corner Top”を収録した清水信之さんなどがそうですね。EPOや大江千里などのアレンジャーとして知られていますが、松岡直也と一緒にバンドをやっていたこともあるので、ポップスとフュージョンの間を自由に行き来していた存在ですし、そういったミュージシャンは当時多数いたわけです。だから自身のソロでも、歌モノと並んで自然とインストのフュージョンもやってしまえる」

柴崎「先日、角松敏生さんに新作についてインタビューした際、杏里さんの作品以来数十年ぶりに瀬尾一三さんと仕事をされた時のことを語っていました。瀬尾さんが〈複雑なハーモニーの曲のアレンジをひさびさにやれて嬉しいよ〉と言っていたと。もちろん瀬尾さんはフュージョンじゃなくフォーク出身なわけですけど、ニューミュージック全盛時代にはシティポップ系の――つまりフュージョン的なハーモニーにも近い――洗練されたアレンジも手がけていたんですよね。

大野雄二さんや井上鑑さん、佐藤準さん、鈴木茂さんなど隙あらば複雑で高度なハーモニーを入れてくる優れた作曲家・アレンジャーがいたからこそ、日本のポップスは磨き上げられていったんです。それが、いま聴いてもフレッシュさが失われていない理由だと思いますし、当時のフュージョンにも編曲視点から魅力的なものがたくさんあります」

 

再評価の次は学園アニメでバトル!?

――では最後に、リバイバルでシティポップファンになったリスナーやフュージョン全盛期を知らない若い世代に向けて、フュージョンを聴く際のポイントを伝えるとしたら?

栗本「単純に、聴いていて気持ちいい音楽です。ジャズの発展形なのでテクニック重視で難しいとか、一方でスーパーのBGMっぽいとか、そういうネガティブなイメージがなくもないですが、『CROSSOVER CITY』でセレクトした楽曲は、フュージョンに対する固定観念抜きに聴くとただただ気持ちいいんですよ。

それに高中さんが顕著ですが、海の写真などリゾート感のあるジャケットが多いですよね。あるいは都会のクールさを強調した、摩天楼が聳え立つ画とか。ビジュアルと連動したイメージ演出を伴った音楽なので、その雰囲気をそのまま実用的に楽しんでもらえたらと。その点はシティポップと同じですね。難しく考えず、このコンピさえあればシティポップ感覚でフュージョンを気持ちよく聴けるはずです」

柴崎「そうですね。別の視点を加えるなら、King GnuやOfficial髭男dism、藤井 風さんなどジャズやソウルの要素を取り入れた複雑で高度な音楽をやるJ-POP系のアーティストがいま多いじゃないですか。そういう楽理的にもテクニック的にも高度なポップスの中には、ジャパニーズフュージョンのイディオムとか美意識が伏流していると思うんです。単純な楽器演奏面の類似というより、コード、ハーモニー、リズム、アレンジなどの構築法の継承という意味で。なので、現代の音楽のルーツとして聴いてみても面白いんじゃないかなと。もっと先鋭的な音楽の場合でも、例えば長谷川白紙さんを好きな人がPRISMを改めて聴いてみるとか、そういう視点があってもいいと思う。

批評性を奉じるうるさ型の音楽ファンからは、長いことフュージョンって真面目に取り合わなくていいものとされてきたイメージがありますが、そうやって意識的に聴いてみるのも面白いと思います」

栗本「あと楽器を聴く、楽器の面白さを体現する音楽なので、アンサンブルが凝っているんです。アレンジやサウンドが好きな人は楽しめると思いますね。海外のフュージョンと聴き比べても日本のフュージョンは丁寧できめ細かく作られていますし、職人芸的な音楽としても興味深い。当時は日本の音楽は洋楽より下に見られていましたが、実際はそんなことはまったくないし、むしろ日本の音楽の緻密さがよくわかります。シティポップが評価されているのもそういうところでしょうし。ミュージシャンもめちゃくちゃ上手いですよ」

柴崎「今の時代に自分がアニメのプロデューサーをやっていたら、『響け!ユーフォニアム』みたいな学園フュージョンアニメを作ると思う(笑)。フュージョンリアルタイム世代も若い世代も楽しめそうだし、テクニカルな音楽なのでスポ根要素も入れられますから。フュージョンを題材にした一大ビルドゥングスロマンができますよ!」

栗本「面白い! その企画、制作会社に持って行ってください(笑)」

――古くは「けいおん!」がありますが、最近は「BanG Dream!(バンドリ!)」などガールズバンドのゲームやアニメは多いですからね。そのフュージョン版をやると(笑)。

柴崎「ここまで話してきた通りオタク的な文化とも相性がいいですし。この記事を読んだアニメ関係者はアイデアを使っていいですよ(笑)」

栗本「フュージョンならバトルもできますからね。指や唇から血を流しながら楽器を弾いたり(笑)。そうなると速弾き系フュージョンが持て囃されるようになるだろうから、それはそれでまた面白くなりますよね。フュージョンの新しいスターが生まれるかもしれないし、『CROSSOVER CITY』とはまったくベクトルの違う新しいコンピが作れそうだし(笑)」

――「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」のMCバトルの楽器版ですね(笑)。

柴崎「そう。フュージョンにはあらゆる要素があるんです。ロックらしいロックは廃れたと言われつつ、エントリー用の安価なギターは根強く売れ続けているので、今フュージョンアニメが作られたらもう一度楽器演奏の大きな入り口になるかもしれませんね」

 


RELEASE INFORMATION

VARIOUS ARTISTS 『CROSSOVER CITY -Asayake-』 Sony Music Direct(2025)

■CD
リリース日:2025年5月21日(水)
品番:MHCL-31074
価格:3,300円(税込)

■LP
リリース日:2025年8月2日(土)
品番:MHJL-427
価格:4,950

TRACKLIST
1. On The Move/深町 純(1978)
2. Asayake/CASIOPEA(1982)
3. Space Kid/大野雄二(1978)
4. カクトウギのテーマ/坂本龍一 & カクトウギ・セッション(1979)
5. Hank & Cliff/THE SQUARE(1983)
6. Yumedono/大村憲司(1978)
7. Charcoal Break/NANIWA EXPRESS(1984)
8. A Seagull & Clouds/菊池ひみこ(1987)
9. Pastel Color/村松 健(1983)
10. Key Breeze/日野皓正(1983)
11. Poppy’s Walk/香津美・アンド・ジェントル・ソウツ(1978)
12. Sapajou Walk/佐藤允彦(1979)
13. Silver Drape/鳥山雄司(1988)
14. Avenue/堀井勝美PROJECT(1987)
15. With All Beautiful Love/THE PLAYERS(1981)

 

VARIOUS ARTISTS 『CROSSOVER CITY -Bon Voyage-』 キング(2025)

■CD
リリース日:2025年5月21日(水)
品番:KICJ-876
価格:3,000円(税込)

■LP
リリース日:2025年8月2日(土)
品番:KIJJ-90017
価格:4,800円(税込)

TRACKLIST
1. Green Vestige/沢井原兒 & Bacon Egg(1981)
2. Corner Top/清水信之(1980)
3. Opa! Com Deus/本多俊之(1979)
4. Mellow Around/宮の上貴昭(1980)
5. Bon Voyage/村岡 建 & His New Group(1978)
6. Blue Funk/森園勝敏 with Bird’s Eye View(1980)
7. In The Sky/大野俊三(1979)
8. Papaya Source/兼崎順一(1982)
9. No If’s No Buts/八木正生(1979)
10. Song For Georgie/益田幹夫(1979)
11. Ain’t Nothing But “G"/清水靖晃(1979)
12. Flamingo Street/RIGHT STAFF(1985)
13. (I’m Still) Believing In Dreams/増尾好秋(1979)
14. Lady/増尾元章(1982)
15. Seagull/HANG RAIJI(1983)

 

VARIOUS ARTISTS 『CROSSOVER CITY -Mint Breeze-』 ユニバーサル(2025)

■CD
リリース日:2025年5月21日(水)
品番:UICZ-8241
価格:3,000円(税込)

TRACKLIST
1. Palm St./小林泉美(1981)
2. Brasilian Skies/高中正義(1978)
3. Caribbean Super Green/CARIOCA(1981)
4. Yeh! Boogie/杉本喜代志(1978)
5. Walk Downtown/ジョン・海山・ネプチューン(1980)
6. Batik Pasar/本多俊之(1982)
7. Mint Breeze/今田勝 NOWIN(1984)
8. Be Yourself/LOGIC SYSTEM(1981)
9. Dream Of Dream/柏木玲子(1984)
10. Anyway/NORIKI(1983)
11. Chico/野口五郎(1982)
12. Manhattan Skyline/宮野弘紀(1981)
13. カーチェイス/井上堯之(1979)
14. Daybreak/NATIVE SON(1985)

 

VARIOUS ARTISTS 『CROSSOVER CITY -Misty Morning-』 ビクター(2025)

■CD
リリース日:2025年5月21日(水)
品番:VICL-66069
価格:3,000円(税込)

TRACKLIST
1. Send Me Your Feelings/日野皓正(1979)
2. Virginity/響野夏子(1986)
3. Misty Morning/奥 慶一(1981)
4. Hunt Up Wind/福村 博(1978)
5. Merci Baku/タイガー大越(1981)
6. Walkin’ In The City/益田幹夫(1982)
7. Down East/渡辺貞夫(1979)
8. Ballerina/松原正樹(1979)
9. Transparency/野呂一生(1985)
10. Aqua Blue/KANGAROO(1983)
11. Morning Flight/MALTA(1985)
12. Shining Guitar/秋山一将(1978)
13. Starlite Melody/鈴木 茂(1979)
14. Southern Dream/You & Explosion Band(1983)
15. 赤い道が走る国/八木のぶお(1979)

 

VARIOUS ARTISTS 『CROSSOVER CITY -Park Avenue-』 コロムビア(2025)

■CD
リリース日:2025年5月21日(水)
品番:COCB-54379
価格:3,000円(税込)

■LP
リリース日:2025年8月2日(土)
品番:COJY-9541
価格:4,620円(税込)

TRACKLIST
1. Park Avenue/渡辺香津美 with Manhattan Blaze(1978)
2. Hip Cruiser/向井滋春(1979)
3. Flying Easy/上田力とパワー・ステーション(1980)
4. The Island Skyline/杉本喜代志(1981)
5. Memory Lane/ソウル・メディア(1980)
6. Out Of Focus/鈴木宏昌(1976)
7. Lena/荒川バンド(1980)
8. Still Love You/Spick & Span(1979)
9. 熱い友情/土岐英史 & TEMPS(1985)
10. Midnight Whisper/野田ユカ(1989)
11. West Beach Drive/鈴木 茂(1987)
12. Gypsy Moon/朝本千可(1988)
13. Good Morning Birds/Zoom(1982)
14. Living In A City/大徳俊幸(1981)

 

■タワレコ特典(CDのみ)
先着:ステッカー(各ジャケ写絵柄)
※ご予約済みのお客様も対象となります
※商品ページで〈特典あり〉の記載がない場合は特典対象外となります
※複数枚を1回でご注文された場合、商品がすべて揃うまでに特典の保管期間(発売日より1か月)を経過すると、自動的に特典付与対象外となります
※特典の数には限りがございます。限定数満了次第、終了とさせていただきます
※タワーレコード店舗とオンラインでは特典の運用状況が異なる場合がございます。
店舗でのご購入で特典ご希望のお客様は、各店舗に運用状況をご確認ください

■応募抽選プレゼント施策
2025年5月21日発売の〈CROSSOVER CITY〉シリーズのコンピレーションCDおよび〈CROSSOVER CITY〉名盤復刻シリーズCDをお買い上げのお客様の中より、オリジナルTシャツを抽選で50名様にプレゼントいたします。なお、応募にはタワーレコードメンバーズへの登録が必要となります。

 


PROFILE: 栗本 斉

音楽と旅のライター、選曲家。1970年生まれ、大阪出身。レコード会社勤務時代より音楽ライターとして執筆活動を開始。退社後は2年間中南米を放浪し、帰国後はフリーランスで雑誌やウェブでの執筆、ラジオや機内放送の構成選曲などを行う。開業直後のビルボードライブで約5年間ブッキングマネージャーを務めた後、再びフリーランスで活動。著書に「ブエノスアイレス 雑貨と文化の旅手帖」(毎日コミュニケーションズ)、「アルゼンチン音楽手帖」(DU BOOKS)、共著に「喫茶ロック」(ソニー・マガジンズ)、「Light Mellow 和モノ Special」(ラトルズ)などがある。2022年2月に上梓した「「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!」(星海社新書)が話題を呼び、各種メディアにも出演している。最新刊は2023年9月に発表した「「90年代J-POPの基本」がこの100枚でわかる!」(星海社新書)。

PROFILE: 柴崎祐二

1983年、埼玉県生まれ。評論家/音楽ディレクター。2006年よりレコード業界にてプロモーションや制作に携わり、多くのアーティストのA&Rを務める。単著に「ポップミュージックはリバイバルをくりかえす 「再文脈化」の音楽受容史」(イースト・プレス、2023年)、「ミュージック・ゴーズ・オン~最新音楽生活考」(ミュージック・マガジン、2021年)、編著書に「シティポップとは何か」(河出書房新社、2022年)などがある。