ジャズピアニスト/作曲家の大野雄二が死去した。84歳だった。

所属事務所のオフィスオーガスタが発表したコメントによれば、大野は5月4日に老衰で亡くなったとのこと。コメントの全文は以下のとおり。

大野雄二 逝去のお知らせ

弊社所属作曲家 ジャズピアニストの大野雄二が
2026年5月4日 老衰のため永眠いたしました
享年84歳でした

生前は格別のご厚情を賜り 厚く御礼申し上げますとともに
ここに謹んでご報告申し上げます

直前まで普段と変わらず過ごしており
就寝中に苦しむことなく安らかに旅立ちました

1960年代初頭にジャズピアニストとしてデビューして以来
アニメ「ルパン三世」の音楽をはじめ 数多くの作品を世に送り出し
長年にわたり音楽業界の発展に寄与してまいりました
その功績と音楽は 今後も色褪せることなく愛され続けていくものと確信しております

なお 葬儀 告別式につきましては ご遺族のご意向により近親者のみで既に執り行われました
後日 お別れの会等を執り行う予定ですので 改めてご案内申し上げます

また 5月30日に予定しております
Billboard Live TOKYOでのプロデュースライブ
「Lupintic All Stars Produced by YUJI OHNO」公演につきましては
故人が生前より準備を整えておりましたため 予定通り開催いたします

これからも多くの方々の心に 大野雄二の音楽が残り続けることを願っております

2026年5月13日
株式会社オフィスオーガスタ

大野雄二は1941年5月30日生まれ、静岡・熱海市出身。小学生の頃にピアノを始め、高校生になると独学でジャズを学びながら同級生らとジャズグループ〈ジュニア・ライト・ミュージック〉を結成する。

慶應義塾大学に進学した大野は、在学中にジャズビッグバンド〈慶應義塾大学ライト・ミュージック・ソサエティ〉に在籍したほか、渋谷毅の推薦で藤家虹二クインテットに参加するなど、本格的にジャズピアニストとしてのキャリアをスタートさせた。

白木秀雄クインテットや日野皓正カルテットでの活動を経たのち、自身がリーダーを務める大野雄二トリオを結成する。トリオ解散後は作曲家としての才能を開花させ、1976年に映画「犬神家の一族」の音楽を手がける。なお、同作の主演を務めた石坂浩二とは高校、大学が一緒の同級生であり、その後2人で『音楽と幻想』シリーズを制作している。

1977年、テレビアニメ「ルパン三世 PART2」の音楽を担当。ジャズシーンで培った経験を大胆に反映した大野の楽曲は、スリリングかつハードボイルドな「ルパン三世」の世界観と見事に調和した。

松木恒秀、長岡道夫らとともにYou & Explosion Bandを結成した大野は、1978年に加山雄三が主演したドラマ「大追跡」のテーマ曲や劇伴を手がける。そのほか松田優作主演の「最も危険な遊戯」(1978年)、「人間の証明」(1977年)、「野性の証明」(1978年)など多くの映画音楽を制作した。

その後も「ルパン三世」シリーズの音楽を長年担当する傍ら、Yuji Ohno & Lupintic Five、Yuji Ohno & Lupintic Sixといったリーダーバンドを組み、都内のジャズクラブから全国各地のホールやライブハウス、ロックフェスにいたるまで様々な場所でライブ活動を行った。

自身の活動以外にも、SMAP、松田優作、石川さゆり、岩崎宏美、柴田恭兵などにも楽曲を提供するなど、ポップスのシーンでも活躍した大野雄二。リチャード・ティー、ラムゼイ・ルイス、カウント・ベイシーらが好きだったという大野の音楽は、格式高い印象だったジャズのサウンドをアニメや映画などを通じてより身近なものにした。その姿を直接見ることはできなくなってしまったが、大野が生み出した多くの名曲・名盤は、この先も決して色褪せることはないだろう。