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一番古い記憶を歌った曲

――では、B面にいきましょう。

B1 “Mist”

――これは去年の月見ルのイベントがきっかけですよね(2024年7月3日に東京・青山月見ル君想フで開催された〈ムンムンド・ネイティブ〉。〈植野隆司と黄倉未来 × 川本真琴〉として出演)。

「うん。1回だけでしたが、ここで“Mist”を歌いました」

――すでに曲が出来てたんですね。

「確か植野さんからオケを先にもらったんだと思います」

――そこに歌詞とメロを乗せたんですね。

「〈ミスト〉って言葉、さっきの〈ナチュラル〉と一緒で、なんか気持ちいい言葉なんですよね。そういう言葉を入れてみました。〈ミスト、ミスト〉って何回も言うんですけど、沖縄のライブで植野さんが〈ミスド〉って言い出して、途中からミスタードーナツの歌に変わってくんですよ、〈ポンデリングミスト〉とか」

――曲自体、自由な感じだし。

「あと、(黄倉)未来さんが作ってくれた音がけっこうカッコよくて。プログラムはほとんど植野さんがやってくれて、ドラムのキックだけ未来さんが入れてくれたんです」

――植野さんのプロデュースが良かったと思います。月見ルのイベントのイメージそのままのよく分からないまま楽しい感じの中でいい曲が出来たな、と思いました。

「それと、後奏がけっこう長いんですけど、それも面白いかなと思って、入れときました」

――そうそう、そこもいいポイントだと思います。次いきましょう。

B2 “お花のジュース”

――去年10月の沖縄でのワンマンライブのタイトルにもなってますね。

「わりと最近出来た曲です」

――作詞・作曲が川本さんで、伴奏は横沢俊一郎さんにギターを弾いてもらったんですね。

「アコースティックギターだけなのに、なんかバンドっぽいという」

――そこが横沢さんの素晴らしいところですよ。1人バンドみたいな。

「うんうん。すごく上手くやってくれて、歌いやすかった」

――これまで2回、一緒にライブやって相性がいいなと思いました(2024年7月2日に東京・新宿LOFTで開催されたラブリーサマーちゃんとのツーマンライブ、2021年5月9日に東京・下北沢シャングリラで開催された後藤まりこアコースティックviolence POPとのツーマンライブに横沢がバンドメンバーとして参加)。

「このアルバム全体を通してなんですけど、一緒にやってくれる人たちが好意的にやってくれて、すごく嬉しいですね」

――特に横沢さんは川本さんの曲をよく知ってるんだよね。だから合わせやすいんじゃないかな。

「でも、そこに私にはない横沢さんらしさみたいなものを自然な感じで入れてくるからいいんです。あと、この歌詞なんですけど、2歳ぐらいのときから隣の家の子が同じ年で、ずっと一緒だったんですよ」

――幼稚園も?

「幼稚園の前からずっと一緒に遊んでて、朝起きたらその子の家に行って夜までずっと一緒にいて。この“お花のジュース”というのは、その子と2人でおままごとをしてて、それを歌にした曲です。そのことをちょっと絵本的に歌ってます」

――なるほど、確かに絵のような曲ですよね。遠い記憶というか。それに、これも川本節ですね。

「今まで作った曲の中で、一番古い記憶のことを歌ってます」

――では次です。

B3 “ピアノ二重奏”

――ピアノ2人で演奏していますが、これは即興?

「これは、私が曲を作りました。こういう曲を作るのはけっこう得意というか」

――録音はピアノ2台で?

「いえ、ピアノ1台で、それぞれ上と下を弾いてます。大野さんが上で私が下。高音を大野さんが弾いて、低音と中音を私がやってます。大野さんは即興的に弾いてて、最初からそんな決め決めじゃなくて」

――録音も1回で決まった?

「3回は録りました」

――これは新しい感じがしましたね。

「それ、植野さんもそう言ってくれて。これから、こういう曲もやっていいかな」

――B面の真ん中にこの曲を置いたことで、いいポイントになりました。

「この曲はピアノが響きすぎて、そこを大野さんがミックスで上手くやってくれました。ミックスのやりとりは何回も何回も確認しながら時間かかりました」