Photo by Daiki Miura
Vaundy、ヒョゴ&サンセット・ローラーコースターが見せたヘッドライナー級の好演
エムドゥ・モクターを途中で離脱したのち、この日どうしても見たかった青葉市子のステージへ。大入りのRED MARQUEEにいながら、体感温度が一気に5度ほど下がったかのように感じた“アンディーヴと眠って(Asleep Among Endives)”、石井織絵がデザイン・演出した万華鏡の映像をバックに披露した“月の丘”など、音楽ライブであると同時に一種のインスタレーションを体験しているようなライブだった。

GREEN STAGEで見届けたヒョゴ&サンセット・ローラーコースターのライブは、フジロック3日間を通してもハイライトの一つに挙げたくなるほど感動的だった。西日が差しはじめた時間帯に登場した総勢10名を、観客たちは温かい拍手と歓声で出迎える。ドビュッシー“月の光”をプロローグ代わりに、そのまま“Kite War”へと突入していくのだが、音が一つ、また一つと重ねられていくたびに2組のコラボレーションに魅了されていく。


Photo by Masanori Naruse
様々な国籍の観客が無我夢中で歌い踊っていた“Young Man”、夕暮れの苗場にシンガロングを巻き起こした“TOMBOY”など、ほぼすべての楽曲で演奏がはじまった瞬間に歓声が上がっていた。フジロッカーがどれだけ彼らを渇望していたか、そしてヒョゴ&とサンセット・ローラーコースターもどれだけフジロックでのパフォーマンスを心待ちにしていたか、双方の願いが叶ったピースフルな空間に思わず涙腺が緩みそうになった。


ヒョゴ&サンセット・ローラーコースターの好演に若干燃え尽きたような気持ちになっていたが、次に足を運んだパフューム・ジーニアスで再び活力を得た。今年春にリリースしたニューアルバム『Glory』を軸にした最新セットで臨んだパフューム・ジーニアスことマイク・ハドレアスは、まるで重力から解放されたかのような動きを見せる。直立不動だったかと思えば突然大きく後ろに仰け反ったり、“No Front Teeth”では腰掛けていたパイプ椅子と絡みあったりと、演劇にも近いパフォーマンスで自らの音楽を体現していく。
11年ぶりの日本でのライブだったそうだが、次回はもっと多くの人にマイクの澄み切ったクィアネスに触れてもらいたい。

Photo by Daiki Miura
日も沈み切ったGREEN STAGEはVaundy目当ての観客で溢れかえっていた。ヘッドライナー並みの集客で、アジア圏をメインに会場のあちこちで色々な言語が飛び交っている光景からは、Vaundyをはじめとした今のJ-POPアーティストへの注目度の高さが窺える。
“不可幸力”“風神”“踊り子”と序盤からヒット曲を連発する構成にVaundyらしさを感じるとともに、サブスクで聴ける手軽さを一切排除したかのような強靭な演奏とまばゆい演出からは〈ライブならではの体験〉を重要視する彼の意思を見てとることができた。夜空を突き抜けるような盛り上がりを見せたラストの“怪獣の花唄”まで、持てるすべてを出し尽くしたVaundy。王道と邪道、どちらの道も選択できる稀有な存在であることを今年のフジロックで証明した。
ありがとうフジロック
— Vaundy (@vaundy_engawa) July 25, 2025
虫をいっぱい食べました
大自然🌲#fujirock pic.twitter.com/MsRVvqiv1U