菊地成孔率いるDCPRGが登場、SIMI LAB勢に加えシークレット・アクトにRinbjo(菊地凛子)も! タワー35周年イヴェント〈EBISU 6DAYS〉の2日目をレポ
2014年11月18日〈TOWER RECORDS 35th Anniversary Live! EBISU 6DAYS DAY.2~intoxicate~ 〉 @恵比寿・LIQUIDROOM
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- 2014.11.19

79年のタワーレコード日本上陸以降、タワーを支えてきたファンへの35年間の感謝と共に、音楽やアーティストの持つ魅力を〈ライヴ〉という形で改めて伝えるアニヴァーサリー・ライヴ企画〈TOWER RECORDS 35th Anniversary Live! EBISU 6DAYS〉。タワーが展開するキャンペーン/イヴェント/フリーマガジンを各イヴェントのタイトルに冠し、11月17日から22日までの6日間連続で恵比寿・LIQUIDROOMにて開催される同企画。本日は2日目となる〈DAY.2~intoxicate~〉の模様をレポート!
〈EBISU 6DAYS〉の2日目、〈DAY.2~intoxicate~〉に登場したのは菊地成孔率いるDCPRG。タワーレコードのフリーマガジン〈intoxicate〉の企画による今回のスペシャル公演は、DCPRGにとっても、メンバー大儀見元の復帰ライヴ、SIMI LABのOMSBがオープニングのDJで登場、同じくSIMI LABよりDyyPRIDEとMARIAがゲスト参加、そして2014年内の最終公演、とスペシャル尽くし。さらに菊地本人のDJや、なんと話題のあの人も……!

オープニングDJを務めたのは、ソロでの最新ビート・アルバム『OMBS』をリリースしたばかりのOMSB。DCPRGの2013年作『SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA』にSIMI LABで参加して以来、JAZZDOMMUNISTERSや菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールなど菊地絡みの作品でもお馴染みの存在となっている彼のDJ姿に、熱視線を送るファンも数多く見られた。のっけからの攻撃的なビートと重低音でフロア全体を震わせる硬派なサウンドに、否が応でも高まっていく会場内のテンション。フロアが埋まっていくなか、選曲にスイートでメロウな色合いが濃くなってきたところで、なんとDJブースには菊地成孔が登場!
告知されていなかった菊地の登場に会場は大盛り上がり。アブストラクトなサウンドのなか、耳をつんざくよう音を混じらせる独特なセンスのDJプレイで大いに会場を沸かせていると、暗いままのステージに人影が……。



赤いストールを頭からまとってステージに立っていたのはなんとRinbjo(菊地凛子)! 菊地成孔プロデュースのアルバム『戒厳令』を12月24日にリリースすることが発表され話題を呼んでいる彼女の、予期せぬ登場でフロアは一気にヒートアップ。傍らにはSIMI LABのDyyPRIDE、ステージ後方にはDCPRGのギタリスト大村孝佳、DJブースには引き続き菊地成孔を従え、妖しげなサウンドのなか振り付けを交えつつ力強い歌声を聴かせた。続いて2人が去り1人だけになったステージ上で大きな本(?)片手に、第2期SPANK HAPPYの“ヴァンドーム・ラ・シック・カイセキ”を思わせる退廃的なムードの朗読曲を披露。大歓声に包まれてステージを去って行った(Rinbjoの「o」は、正しくはウムラウト付き)。

そしてRinbjoの退場から間髪を入れず、歓声を浴びながらステージに姿を現したのは、今夜の主役DCPRGの面々! メンバーがそれぞれ同じ音を猛連打するという強烈な音圧のイントロからスタートした1曲目は、5月の東名阪ツアーで初披露された新曲“Ronald Regan”。リーダー菊地成孔のコンダクトによって次々に展開していく楽曲のなか、大村による凄まじいテンションでの速弾きのあとに津上研太のアルト・サックスが続き、最後は再び音の連打で締めくくられた。
続いて“サークル/ライン”のイントロが流れると会場からはまたしても大歓声! 左手で絶妙なアクセントを入れる坪口昌恭のキーボード・ソロの際には大儀見元がシェケレを取り出し空間の彩りを変えていた。曲の最後は、ディレイのかかった類家心平のトランペットで幻想的なムードに。ファースト・アルバム収録の“PLAYMATE at HANOI”では、大儀見の叩くコンガの音色が圧倒的な説得力で響くイントロで、会場のムードは早くも上昇。坪口がいつもにましてファットな音色&エフェクトのかかりまくったシンセで奏でるテーマ、雰囲気を一変させた津上のソプラノ・ソロの後にフル・テンションで飛び出してきた類家のトランペットは、自信に満ち溢れた堂々たる吹きっぷりがたまらなくカッコイイ! 続いてしっとりと始まった小田朋美のキーボード・ソロは、バックが比較的淡々とビートを刻み続けるなかで突如ヒートアップ。ホーン陣のリフを交え静かに盛り上がっていくバンド全体と猛烈なソロ演奏のコントラストが異様な雰囲気を醸し出し、類家とともに大きな歓声を浴びていた。

坪口と小田のユニゾンで幕を開ける5月に初披露された新曲“Gondwana Express”では、急速調で複雑にうねるテーマのフレーズを一糸乱れぬコンビネーションで弾ききる2人の技巧に改めて驚かされた。アリガスの引く強靭かつグルーヴィーなベース・ラインがほかの曲に増してバンド全体をグイグイ引っ張っていたのも印象的。ソリッドなサウンドで、坪口のヴォコーダーを用いたソロでも盛り上がったこの曲、音源化も楽しみだ。
次に突然始まったのは高井汐人によるテナー・サックス独奏。ボンッ! ボンッ! という爆裂音のような低音部をフロア全体に響き渡らせたかと思うと異国風の妖しげな旋律やリズミカルに跳ねるフレーズ、切ない絶叫のような高音部のロングトーンなどが次々と飛び出す演奏に、会場は大盛り上がり。類家のソロ・パートではバンド全体が爆発。大儀見のコンガ・ソロのパートを挟み、両ドラムがバスドラを連打し猛烈なテンションで煽り続けるなか吹きに吹きまくる類家。演奏はそのまま千住宗臣のドラム・ソロに突入。どこまでも上りつめていくかのような圧巻のソロに、会場からはこの日1、2を争う大きな声援が飛んでいた。

5拍子と4拍子を基調とする人気曲“構造1 現代呪術の構造”では、津上と高井のソプラノ・バトルも炸裂。そのままエンディングかと思いきやドラムの田中教順が1人でビートを刻み始めると、ステージにはSIMI LABから、OMSB、DyyPRIDE、MARIAの3人が登場! 「普通ってなに? 常識ってなに?」のフックでお馴染みのコラボ曲“UNCOMMON UNREMIX”を披露。生演奏での複雑なビートの上で自由自在にフロウする3人の技巧はさすが! OMSBの絶叫も飛び出したステージに観客は腕を突き上げ喝采をあげた。津上のメロディアスなソプラノ・ソロからのロングトーンで幕を閉じた同曲で、SIMI LABの3人はいったん退場。続いて始まった定番のジミヘン・カヴァー“Hey Joe”では、大村の歌いまくるギター・ソロで飛び跳ねるファンの姿も!
アンコール後、MCでの爆笑を誘うメンバー紹介、来年のニュー・アルバム作成のアナウンスのあと、再びSIMI LABの3人が登場。「俺らとSIMI LABでアンコールやるっていったらこの曲でしょ」という菊地の言葉とともに始まったのは、DCPRG“MIRROR BALLS”とSIMI LAB“Blues”のマッシュアップ! 力強いライムとハッピーな演奏で濃密な時間は幕を閉じた。
〈TOWER RECORDS 35th Anniversary Live! EBISU 6DAYS DAY.2~intoxicate~〉@ 恵比寿・LIQUIDROOM 2014.11.18 セットリスト
【Rinbjo(菊地凜子)】
1. 蛇のmean ft. DyyPRIDE
2. 魚になるまで
※Rinbjoの「o」はウムラウト付きとなります。
【DCPRG】
1. Ronald Reagan
2. サークル/ライン
3. PLAYMATE at HANOI
4. Gondwana Express
5. CATCH22
6. 構造1(現代呪術の構造)
7. UNCOMMON UNREMIX feat.SIMI LAB
8. Hey Joe
<アンコール>
1. MIRROR BALLS + Blues feat.SIMI LAB