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音楽の原風景、魂の部分にあるものが曲にできたら

――本書の中でも、ご自身のスタンスを「特別だけど特殊じゃない」とおっしゃっていました。それは「かっこいいものは皆わかってくれる」という先程のJさんのお話に繋がってくると思うんです。たとえば、“ROSIER”にせよ、あるいは、“TONIGHT”にせよ、Jさんのベースラインは至ってシンプルですよね。でも、ほかの誰かがJさんとまったく同じように弾けるわけではない。そういうJさんの言語化できない、理論ではないところに、個性と呼ばれるものが宿るのかなと。

「難しいことをすればかっこよくなるわけではないですよね。たとえば、3コードのロックンロールを演るという縛りがあったときに、それをかっこよく弾ける人と、かっこよく弾けない人がいるわけじゃないですか。だったら僕はその縛りの中で一番かっこいい3コードを弾きたいなって思うんです。

ベースで単純なルート弾きをしたとしても、絶対にかっこよく弾ける人たちには、もうそれ以上必要ないでしょうって思うんです。僕の曲作りもベースプレイもそれが第一にありますね」

――本書の中だったり、昨今のJさんのインタビューでも、シンプルでフォーキーなものに対して、あらためて向き合ってみたいという意志を感じます。

「自分の中の一面なのですが、音楽の本質みたいなもの……ギター1本で表現できてしまう、ギター1本とメロディーだけでいつでも再現できてしまうような、そんなシンプルな曲への憧れがずっとあるんです。そういう音楽の原風景みたいなものに対しての憧れというか、そういう音楽を探求したくなる気持ちは、より強くなってきてますね。

それは……もしかしたら、魂の部分にあるものかもしれないですよね。いつでもどこでも、どんな場所でも誰にでも鳴ってくれる曲って本当に素晴らしい。それってとんでもないじゃないですか。もしそんな曲が自分で作れたら、もう死んでもいいなってぐらいになるんだろうな……なんて昔から思っているんですよね」

――本書を読んでいても、今後のLUNA SEAが出す音楽がどんなものになるのか、本当に予想がつかなくなり、楽しみになりました。

「僕たち自身も、ここまで自分たちがやってきた中で、今、自分たちがどこにいるのか、どんな音を鳴らすのかってことに、ものすごく興味があるんです。この5人がまだまだ先を見つめてるってことを今度の新曲は表してくれていると思うので、皆さんもぜひ楽しみにしていてほしいなと思います」

――LUNA SEAと並行してソロの方も、もちろん。

「本当にありがたく幸せなことに、LUNA SEAと自分自身のソロ活動、両方で100パーセントの自分自身を楽しめているんです。それは、バンドをやる人間として本当に贅沢なことだなと思っているんですよね。だからこそ、両方ともとことんやっていけたらいいなと思っています」

 


BOOK INFORMATION

J 『MY WAY -J自伝-』 リットーミュージック(2025)

発売日:2025年8月12日(火)
仕様:A5判/304 ページ
定価:2,970円(税込)

CONTENTS
序章 2025年、約束の地からの眺め the view from the promised land
第一章 スリルを求める少年の成長記録 a growing-up story of a thrill-seeking boy
第二章 名もなき街に、役者は揃った fateful encounters in a nameless town
第三章 天国の先に待ち受けていた地獄 the hell that awaited beyond heaven
第四章 無限の混沌が幕を閉じるとき when the never-ending chaos comes to an end
第五章 知られざる自分を探し求めて in search of the unknown self
第六章 終わりのない旅と運命の十字路 an endless journey and a crossroads of fate
第七章 想定外の未来と新たな現実 the unexpected future and a new reality
第八章 明日に向かうための、究極の約束 the ultimate promise for tomorrow

 


PROFILE: J
小野瀬潤。1992年にLUNA SEAのベーシストとしてメジャーデビュー。“ROSIER”“TRUE BLUE”“STORM”などの原作者として数々のヒットを生み出し、ベーシストとしても孤高の存在感を放ち、自身のモデルベースは世界のアーティストモデルの中でも1位の売り上げを誇る。1997年にはLUNA SEAの一時活動休止を機にソロ名義での活動をスタートさせ、1stアルバム『PYROMANIA』を発表。2000年のLUNA SEA終幕を経て、2001年にソロ活動を再開すると、海外から多数のアーティストを招き開催したライブイベント〈FIRE WIRE〉、アリーナをオールスタンディングにして開催した史上初の日本武道館公演など、他に類のない独自のスタイルでライブ活動を展開。2019年5月にはLUNA SEA結成30周年を迎えた節目に、世界的楽器メーカーであるフェンダーとのワールドワイドなエンドースメント契約を結んだことを発表。2025年1月発行の「ベース・マガジン」で企画された〈プロ・ベーシストが選んだ偉大なるベーシスト100人〉では、世界中の錚々たるベーシストが名を連ねる中、第10位を獲得。また、一般アンケート投票(〈#最も偉大なベーシスト2025〉)においては、堂々の1位に輝いている。2025年は、LUNA SEA結成35周年ツアーのグランドファイナルとして東京ドーム公演を開催、LUNA SEAのメンバーとしても確固たるその存在を世に示した。現在も日本のロックベーシストとして唯一無二のスタイルを提示し続け、LUNA SEA、ソロの両方で活躍中。
オフィシャルサイト:https://www.j-wumf.com/