クラシックからレア・トラックまでが満載されたT-GROOVE監修のコンピも登場!
そんなわけで……日本が誇るディスコマスター、T-GROOVEの監修したコンピ『Midland & Midsong International Disco Classics 1974-1980 Selected by T-GROOVE』もリリース! どうしてもブームの産物という印象で軽く見られてきたせいか、まとめられる機会のなかったミッドランド/ミッドソングの音源だが、こうして世界的ヒットからレア曲まで網羅した作品のリリースは快挙だろう。

すべてオリジナルのUS盤7インチ・ヴァージョンで収録されたラインナップは全23曲。今回のリイシュー群のダイジェスト的な側面はもちろん、シングルのみで終わった面々の楽曲が数多く収められているのも嬉しい。マーブーのソウルフルな“What About Love”(75年)や、あのドリス・トロイの“Can’t Hold On”(77年)、ヴァニース・トーマスが歌うジョン・デイヴィスのプロジェクト=サイレンの“Open Up For Love”(79年)、さらに元アンディスピューテッド・トゥルースのタイロン・バークリー唯一のソロ・シングル“Man Of Value”(79年)……と、なかなか他では聴けない楽曲も入口にして、レーベルの魅力をさらに深く掘り下げてみよう。 *出嶌孝次
T-GROOVEのニュー・アルバム『KEEP ON DANCIN’』(Pヴァイン)
ESSENTIALS
ミッドランド/ミッドソング・インターナショナルの栄光
世界的ディスコ・ヒット“Doctor’s Orders”を含むファースト・アルバム。同曲は英シンガーのサニーがオリジナルだが、これを筆頭に、ミッドランド主宰者のエド・オロフリンによる采配のもとミーコ・モナルドやジョン・デイヴィスらがポップなフィリー・ソウル風のサウンドで主役の可憐な歌を華やかに引き立てた。“A Hurricane Is Coming Tonite”などダンサブルなアップ中心ながら、妖美なミディアム・スロウも歌っている。 *林
ミュンヘンでシルヴェスター・リーヴァイとミヒャエル・クンツェが立ち上げたユニットの初作。スタジオ・プロジェクトとして作った“Save Me”(74年)がヒットしたことで正式に女性グループが編成され、全米No. 1ヒットの“Fly, Robin, Fly”を筆頭に“Another Girl”など多くのディスコ・ヒットを収めている。今回は当時の日本盤仕様でのリイシューで、そこに各国盤シングルの音源や別ヴァージョンなどボートラ10曲を加えた大満足の内容だ。 *出嶌
出産を経てのセカンド・アルバムは引き続きエド・オロフリンのプロデュースで、前作にも関わったジョン・デイヴィスが全面的にアレンジを担当。表題曲はフランスのシンガーによるヒットの英詞カヴァーで全米ディスコ・チャート1位を獲得し、これを筆頭に前半(LPのA面)はグロリア・ゲイナーの前年作よろしくノンストップで歌っていく。流麗でポップなダンス・ナンバーが続くが、キャロルの歌はチャーミングさに色気が加わった。 *林
NYの名匠ウォーレン・シャッツを中心とするスタジオ・プロジェクト、ザ・ブラザーズの変名ユニットによる唯一のアルバム(初CD化)。複数のアレンジャー/演奏陣によるイージー・リスニング風のディスコ・オーケストラ盤で、ジーン・オーロフ指揮の流麗なストリングスを纏ったインストが昂揚感を誘う。フレンチ歌謡のほか、シルヴァー・コンヴェンション、リズム・ヘリテッジ、デヴィッド・ラフィンらの曲をカヴァー。 *林
ミュンヘンのディスコ・ユニットによる2作目は、スタジオ・プロジェクトから女性ヴォーカル・トリオとしての性格を強調した内容。鋭角的なシンセと緩めのユニゾン・コーラスが絡み合うキャッチーな表題曲が全米で大ヒットし、同路線の“No, No, Joe”がそれに続いた。ラヴ・アンリミテッド・オーケストラ風の流麗な“San Francisco Hustle”では当時流行のハッスル(・ダンス)がテーマ。今回のCDは日本盤LPに準拠した形での復刻となる。 *林
過去2作の成功を受けて制作陣が冒険心を発揮したのか、マッドな世界観とダークな音作りが野心的に導入されたサード・アルバム。リンダの脱退を受けて新加入したロンダがスクリーム・ヴォイスを聴かせるプログレッシヴ・ファンクのタイトル曲からもわかるように、ストレートなディスコ〜ダンス系の要素が希薄になり、シアトリカルな展開やアクの強さが随所で出てくる。当時の賛否両論は頷けるがいまなら普通に楽しめるユニークさだ。 *出嶌
フィラデルフィア出身のヴォーカル・グループによるファースト・アルバム。ジョン・デイヴィスの制作でフィリー・デヴォーションズ“I Just Can’t Say Goodbye”のカヴァーを含むが、ソングライティングをスティールズ兄弟とメンバーが分け合い、フィリー・ダンサーからムーディーなスロウ・バラードまでを美しいハーモニーで聴かせる。タイトル曲はスティールズ兄弟が書いたスピナーズの名曲を連想。81年に増補改訂盤も出た。 *林
キャロル・ダグラスのツアーにも同行したNYのバンドによる唯一のアルバム(初CD化)。ジョン・デイヴィスの制作でMFSBのメンバーも一部参加sし、フィリー・ソウル的なモダンさを漂わせるが、冒頭のアップ“Central Park”などEW&F的なディスコ・ファンクも飛び出す。後年にDJが再評価したジャジーなダンサー“Can You Get Down”や“Serious”はクラブとの親和性も高そう。バラードは直球のフィリー・ソウルだ。 *林
前作『Midnight Love Affair』に続いてジョン・デイヴィスの全面プロデュースで制作されたサード・アルバム。前後の自身作と比べてもマイルドな側面が目立つのは、アバの“Dancing Queen”やドアーズ“Light My Fire”などポップス/ロックの名曲カヴァーを中心に構成されているからか。ソフトで品のあるヴォーカルはメロウ路線の楽曲にもしっくりくる。ナズらがネタ使いした“We Do It”もここに収録。 *出嶌








