[緊急ワイド] SOUL百発百中
さまざまな名曲が変化を引き起こし、その積み重ねで果てしない進化を遂げてきたソウル・ミュージック。今も昔も素晴らしいからこそ、現代と同じく過去の音源も最高なわけで……この機会に未知の名作に出会ってみよう!
アル・グリーン、シャイ・ライツ、ハニー・コーン……永遠に語り継がれるソウル名曲の数々は、言うまでもなく現代の音楽シーンにも多大な影響を与えている。なかでも70年代に生まれたそれらはたびたびリヴァイヴァルされることもあって純粋にフレッシュな新譜として楽しむこともできるかもしれない。ただ、その作品はあまりにも膨大すぎて、誰をどこから聴けばいいのかわからない……そんな声がどこかに届いたのかは知らないが、今回さまざまなソウルのアルバムをお求めやすい形でラインナップするキャンペーンが〈SOUL百発百中〉である。このキャンペーンでは名曲・傑作・重要作が詰め込まれた永遠の名盤たちが第1弾/第2弾それぞれ50タイトルずつ、合計100タイトルも魂価格で登場する。さらには日本初CD化のタイトルを10タイトルを新規リイシュー。さらにはこのキャンペーン自体のショウケース作品としても機能しそうなコンピ『SOUL百発百中 -GOLDEN ERA of SOUL MUSIC-』も用意されている。
そのコンピや100枚の並びを見てわかるのは、ハイやブランズウィック、TK、ホット・ワックス/インヴィクタス、プライド、アウェア、ディライトなど色とりどりな名レーベルの音源がここに集まっているということ。この機会に一枚ずつ、どこから聴いてもハズレのない百発百中ぶりを体験してみてほしい。
8月6日にリリースされるコンピ『SOUL百発百中 -GOLDEN ERA of SOUL MUSIC-』(Solid)
左から、DJ BIB選曲のコンピ『SOUL百発百中 Selected by DJ BIB』、OMAKASE(DJ KENTA & DJ SOULJAH)選曲のコンピ『SOUL百発百中 Selected by OMAKASE』(共にSolid)

GWEN McCRAE
マイアミ・ソウルを咲かせたレアグルーヴの女王! TK時代の3タイトルが新規リイシューされるぞ!
今年2月に訃報が届いたグウェン・マクレー。TKの中心アーティストとして活躍し、マイアミ・ソウルやディスコのシーンを盛り上げた重要人物のひとりである。そうでなくても主要作品の復刻は着々と進んでいた人だが、このタイミングでTK時代の3タイトルがまた新規リイシューされることになった。
43年にフロリダ州のペンサコーラで生まれた彼女は、10代の頃から地元のクラブでステージに立ち、いくつかのバンドで歌っていた。63年に結婚したジョージ・マクレーとデュオでの活動を始め、結果的にはヘンリー・ストーンが運営するマイアミのTKと契約している。70年代にはソロでもレコーディングを始め、74年にTK傘下のキャットから最初のアルバム『Gwen McCrae』を発表。その後に出したディスコ映えするシングル“Rockin’ Chair”がR&Bチャート首位(全米9位)の大ヒットとなり、同曲を初作にプラスする形で出されたのが、このたびリイシューされる75年作『Rockin’ Chair』だ。翌76年には『Something So Right』をリリースし、こちらではポール・サイモンのカヴァーとなる表題曲などを披露している。さらには78年にフレデリック・ナイトをプロデュースに迎えて『Let’s Straighten It Out』をリリース。同作ではラティモアのカヴァーとなる表題曲がよく知られるところだろう。このたびリイシューされるこれら3作品からは、数々の楽曲がサンプリングも含めてヒップホップ/R&B勢からたびたびリサイクルされている。以降の『Melody Of Life』(79年)やジョージとの『Together』(75年作)、最後のアルバムとなった2005年の『Gwen McCrae Sings TK』といったTKでの作品は今回の〈百発百中〉の100枚リイシューにラインナップされているので、この機会に彼女の活躍ぶりをぜひ振り返ってみてはいかがだろう。
8月6日にリイシューされるグウェン・マクレーの作品。
左から、75年作『Rockin’ Chair』、76年作『Something So Right』、78年作『Let’s Straighten It Out』(すべてCat/Solid)

AL WILSON
“Show And Tell”で知られる名シンガーの、ロッキー・ロードでの3タイトルが復刻!
今回の〈百発百中〉にあたって新規リイシューされる10タイトルのうち、目玉のひとつとなるのがアル・ウィルソンのロッキー・ロード音源3タイトルだろう。これまでも初期の『Searching For The Dolphins』(69年)がリイシューで評判を呼んだり、ロードショウに残したフィラデルフィア録音の隠れ名盤『Count The Days』(79年)が世界初CD化されるなど、時を経るごとに評価の進んできた観もあるが、彼のもっともポピュラーな一曲だったはずの全米No.1ヒット“Show And Tell”(73年)を生んだロッキー・ロードの時代は、逆に入手困難な状況が顕在化していた。それだけに今回のリイシューは初めて全盛期のアル・ウィルソンに触れる良い機会にもなるはずだ。
1939年にミシシッピ州メリディアンで生まれた彼は66年にソウル・シティと契約。68年にオスカー・ブラウンJrのカヴァーとなる“The Snake”がデビュー・ヒットとなっている。そこから間を空けて入社したのがロッキー・ロードで、ここでは73年にリオン・ウェア制作のメロウ・チューンも含む通算2作目『Weighing In』をリリース。そして同年の“Show And Tell”が全米1位を獲得したのを受け、すぐさま作られたのが同名の3作目『Show ANd Tell』だったというわけだ。そして74年にはジョニー・ブリストルのプロデュースを得たグルーヴィーな4作目『La La Peace Song』を残している。いずれの作品も彼の濃い口なヴォーカルとノリの良い身のこなしが存分に楽しめる内容に仕上がっているので、70年代の空気を伝える充実の作品群としてチェックしてみてほしい。
8月20日にリイシューされるアル・ウィルソンの作品。
左から、73年作『Weighing In』『Show And Tell』、74年作『La La Peace Song』(すべてRocky Road/OCTAVE-LAB)
HI
洗練されたメンフィス・ソウルの真髄!
57年にメンフィスのレコード店オーナーによって創設され、当初はロックンロールを主軸にしていたハイ。プロデューサーのウィリー・ミッチェルが仕切った70年代からはアル・グリーンらがヒットを連発し、独特のハイ・サウンドも相まって一時代を築いた。
甘い囁きや滑らかなファルセットで魅了する稀代のソウル・アイコン。今回の100枚リイシューに6枚が選ばれているのも当然ながら、やはり全米1位をマークした表題曲を含むこの代表作は外せないだろう。洗練を極めたウィリー・ミッチェルのサウンドメイクもタイトで快い。
ハイにおける男性のトップスターがアル・グリーンなら女性のトップはこのアン・ピーブルズだろう。今回の100枚リイシューにて7枚が選ばれているなかでは、アブストラクトなリズムを擁した表題曲を含むこちらの一枚が最高峰だ。“Until You Came Into My Life”など名曲も多数。
日本でも別格的に人気が高かったハイ・スターの快活なファースト・アルバム。ゴスペル仕込みのエネルギッシュな歌声はどこを切っても魅力的で、多くのカヴァーを生んだ表題曲は最近もドレイクが“Moth Balls”で引用されてもいた。今回は次作『I Can’t Take It』もリイシュー。
ハイの前も後も独自の活動を展開したブルース&ソウル・レジェンドのハイにおける3枚目。ウィリー・ミッチェルが制作にあたり、最大のヒットとなったファンキーな“Take Me To The River”などでは持ち前のブルース感をモダンなサウンドに折衷して輝かせている。
ゴスペル〜ブルースの下地を引っ提げてバック・ビートで活躍し、その後ハイ。ただ、諸事情によってレーベル黄金期にレコーディング機会を逸していた男。これはハイでの初のアルバムで、ウィリー・ミッチェルのサウンドとディープな歌唱の相乗効果で独自の魅力を発揮している。
BRUNSWICK
シカゴ・ソウルを育んだ最重要ブランド
創業は1910年代ながら、ジャッキー・ウィルソンと契約した50年代後半よりリズム&ブルース〜ソウル主体のレーベルに。シカゴのプロデューサー、カール・デイヴィスが入社した60〜70年代には同地のソウル・シーンを賑わせる一大勢力となった。
ユージン・レコードが率いたシカゴ・ソウルの名グループのシャイ・ライツ。今回の100枚にも8タイトルが含まれているが、なかでもこちらは全米No.1に輝いたスウィートな“Oh Girl”を含むグループ最大のヒット作だ。8分超で迫る“The Coldest Days Of My Life”も聴きどころ。
ブランズウィック傘下のダカーにおける代表的なアーティストは、今回の100枚にも3作がラインナップされているが、本作はソウル・チャート9位まで上昇したウィリー・ヘンダーソン制作のセカンド・アルバムで、表題曲は全米3位を記録する代表的なナンバーとなった。
ベリー・ゴーディ躍進のきっかけを作り、マイケル・ジャクソンらのステージングにも影響を与えた偉人ながらも不遇の生涯を送った〈ミスター・エキサイトメント〉。今回の100枚にラインナップされた4作のうち、パワフルなノーザン・ダンサーの表題曲を本作の熱気は最高だ。
テキサス出身でカール・デイヴィスに見い出された魅力的な女性シンガーの唯一のアルバム。カールを軸にユージン・レコードやトム・トム、バーバラ・アクリンらの助力も含むキュートな内容ながら当時はヒットに至らず。珠玉の名唱が煌めくブランズウィック産らしい好盤だ。
H-D-H
モータウンの名トリオが築いたレーベル
モータウンのプロデューサー/ソングライターとして活躍するも決裂したブライアン&エディ・ホランドとラモント・ドジャーのトリオが独立し、68年にホット・ワックス、69年にインヴィクタスを設立。70年代初頭までは人気アクトを送り出して奮闘を続けた。
ホット・ワックス版シュープリームスのような位置付けで登場した女性トリオ。今回のリイシューでは3枚がラインナップされていて、どれも最高だが全米No. 1の“Want Ads”とR&Bチャート首位の“Stick-Up”という2大ヒットを収めたこちらの3作目は特にオススメしたい。
インヴィクタス版ダイアナ・ロス的な存在を期待されたシンガーのブレイク作。ポピュラー歌手という出自ならではの上品さが敏腕チームの楽曲とマッチし、全米3位を記録した表題曲は全英No.1を獲得。他にも瑞々しいデトロイト風味のノーザン・ナンバーが並び、英国人気の高さも頷ける。
60年代からチェスなどで活動していたシカゴ出身のシンガーが、ホット・ワックスからインヴィクタスに移籍する格好で出したレーベル後期の快作。デトロイティッシュな作法をキープしつつ、時代性を反映したファンク・ナンバーも聴きものだ。今回は計3枚がリイシューされている。
シカゴ出身のディーヴァが、夫でプロデューサーのフロイド・スミスとアトランタで録音したアウェアでの初作。地元シカゴ産のカヴァーも交え、サム・ディーズ作のバラードなどをソウルフルに披露する。今回の100枚復刻ではアウェアでの2作目やサルソウルでの初作も並んでいる。
フィリー・ソウルからサルソウル・ディスコに繋がる超豪華な敏腕メンバー、トム・モウルトン、バニー・シグラー、ノーマン・ハリスらが参加したプレ・ディスコ期のプロジェクトによる傑作アルバム。ブーム前のディスコが似合う躍動感が清々しいソウルフルな好盤となっている。
PRIDE
短い輝きを放った誇り高きレーベル
もともとはMGMの廉価盤を出すレーベルとして設立されるも、短期間に独自路線を走ってインクレディブル・ボンゴ・バンドやシルヴァーズなどの歴史的な音源をいくつか残している。今回のリイシューではシルヴァーズ関連作がすべてラインナップ!
ジャクソン5やオズモンズのフォロワーとして登場したLAの兄弟姉妹グループながら、最初からリオン・シルヴァーズ3世が曲を作るなど、キッズ感は希薄。この初作ではジェリー・バトラーとケグ・ジョンソンが制作にあたり、代表曲“Fool’s Paradise”などを瑞々しく聴かせている。
シルヴァーズ家の六男坊によるソロ・デビュー作で、こちらは甘酸っぱいキッズ感も醸し出しながらミラクルズやポール・マッカートニーらの名曲カヴァーを中心に背伸びした歌声を聴かせてくれる。サンプリングの定番ネタとなった“Misdemeanor”は兄リオン作のオリジナル。
兄のジェリー・バトラー(元インプレッションズ)がプライド仕事の多かった縁なのか、弟のビリー・バトラーがグループ体制でプライドに残した唯一のアルバム。地元のシカゴとメンフィスで録音されており、持ち味となるスウィートなバラードも溌剌としたリズム・ナンバーも聴きものだ。
ワシントンDCで結成され、サセックスからデビューを果たしたスウィートなヴォーカル・グループの初作。前年にチャート5位に輝いた名曲をタイトルに冠し、全編のサウンドはヴァン・マッコイがプロデュース、甘いサウンドとコーラス・スタイルにはとことん魅了させられる。
オリー&ザ・ナイチンゲールズとしてスタックスに在籍していたシンガーがソロ転向して放ったアルバム。ジーン・ミラーが制作にあたり、演奏面ではハイやスタックスのメンフィス人脈がバックアップ。主役の熱い歌声が最高にソウルフルで、70年代指折りのサザン・ソウル名盤と言えよう。
日本では先行リイシューされた『Love Means Everything』(81年)が親しまれてきたフィラデルフィア産ソウル・グループの素晴らしいデビュー・アルバム。ジョン・デイヴィスがプロデュースを手掛け、どこから聴いてもエネルギッシュな昂揚感と美麗なハーモニーで酔わされる。ミディアム・フローターの表題曲を筆頭に捨て曲ナシの名盤!
〈天使の歌声〉で知られる永遠の歌姫がGRTに残した圧巻のデビュー作。チャールズ・ステップニーの制作でリチャード・ルドルフやラムゼイ・ルイスも関わった音世界が幻惑的に広がり、4ヒーローもカヴァーした“Les Fleur”を筆頭に他では味わえない壮麗な美が溢れ出す名盤だ。
地元のノースキャロライナ州ガストニアに由来する名前を冠したバンドが、アトランタのホットランタに移ってリリースした初のアルバム。同時代のオハイオ・プレイヤーズを思わせる意匠で洒脱なファンクネスとメロウネスを響かせる。女声リードも飛び出してきて飽きさせない一枚。
今回の100枚リイシューには、クール&ザ・ギャングを輩出したディライト系列の作品も多数。こちらはニュージャージーから登場したそのフォロワー集団による唯一のアルバムで、バンド名が示すスライへの憧れやスティーヴィー・ワンダーのカヴァーなどの雑多さが良い塩梅で楽しい。
愛の伝道師として70年代に黄金期を迎えていたバリー・ホワイトだが、その好調に乗じてセプター傘下レーベルが60年代初期の音源をコンパイルした編集盤がこちらで、この形でのCD化は日本初となる。サンプリング・ソースとしても知られる“Where Can I Turn To”など、独特のエレガンスを帯びたグルーヴに魅了される。
後にシルクに加入するモーリス・ジャクソンも在籍していた男女混声グループがトリオ編成では唯一残したファースト・アルバム。トム・トムの色鮮やかなアレンジも手伝ってシカゴ・ソウルの洗練味を振り撒き、甘茶ソウル愛好家からも絶大な支持を得ている不動の名盤だ。
この後GQに改名してブレイクするブロンクスの4人組が、ディライト傘下に残した唯一のアルバム。コズミックなインスト“Zone”などリズミックで骨太なディスコ・トラックを主軸に据え、流麗な“Street Dreamin’”やスロウ“You’re My Last Girl”も甘い薫りを放つ。
クール&ザ・ギャングのレーベルから登場した弟分バンドのファースト・アルバムで、実際に制作もロナルド“クール”ベルが手掛けている。“Get Down”をはじめとする兄貴分譲りの賑やかで豪快なパーティー・ファンクは文句ナシの生々しいカッコ良さが抜群だ。
メンバー4人それぞれが演奏と歌唱を担う西海岸のバンドだが、この唯一のアルバムではヴォーカル・グループ的な味わいが楽しめる。MG’s脱退後のスティーヴ・クロッパーが5曲をプロデュースしていて、なかでも“What’s This World Coming To”はケンドリック・ラマー&ドクター・ドレーの“Compton”でネタ使いされた。
今回5作品がリイシューされる70年代NYの人気バンドだが、まず一枚を選ぶならこの初作になるだろう。R&Bチャート首位をマークした“Do It (’Til You’re Satisfied)”と“Express”のシングル2枚を含むほか、ディスコ前夜の路上感に溢れたグルーヴが唸るファンキーな痛快作だ。
名プロデューサーのマイケル・ストークスが後見したデトロイト発のヴォーカル・クインテットで、ファンクの規定もこなしつつ名前の通りに魅惑のバラードを持ち味とし、この初作も蛙化しないスウィートな魅力に溢れている。後にジェシー・パウエルが歌った名曲“Gloria”収録。
……とはいえ、やはり100枚以上ものラインナップがあればオススメしたいタイトルは当然のようにまだまだあるわけで、キャンペーン作品の全貌はタワーレコード オンラインにてご確認ください! どこから聴いても百発百中であなたの魂にヒットするはず! コンピ収録曲についての詳細もこちらから!





























