これさえあれば……T字路sの作品を紹介!
このたびメジャー・デビュー……とはいえ、全編のサントラを書き下ろしたTVドラマ「だが、情熱はある」(2023年)や、映画「雨に叫べば」(2022年)で使用された“雨zing Blues”のように、映画やドラマ、CMなどを通じてすでにT字路sの音楽に親しんでいる人は多いことだろう。芦田愛菜&宮本信子が“これさえあれば”を歌った映画「メタモルフォーゼの縁側」(2022年)の劇伴など未ソフト化のものもある。また、ザ・ストリート・スライダーズの“かえりみちのBlue”、服部良一/淡谷のり子の“別れのブルース”のような先達をトリビュートする機会は今後も増えていきそうだ。
左から、2023年のサントラ『だが、情熱はある オリジナル・サウンドトラック』(バップ)、2023年のザ・ストリート・スライダーズのベスト&トリビュート盤『On The Street Again -Tribute & Origin-』(エピック)、2024年のトリビュート盤『世紀のうた・心のうた 服部良一トリビュート』(コロムビア)
自主制作の初CD『T字路s』(2010年)に続く6曲入りの第2弾作品。突貫するような勢いで迫る代表曲“泪橋”をはじめ、“蛙と豆鉄砲”など人気曲のオリジナルはここに。浅川マキ“あたしのブギウギ”とストリート・スライダーズ“のら犬にさえなれない”というカヴァーの2曲もいい。
西内徹やCOOL WISE MANの市村知之、カンザスシティバンドの上山実と下田卓というゲストも交えてヴィンテージな苦み渋みを追求した6曲入り。“その日暮らし”などのやさぐれた人情味が滲むなか、親しみやすい歌謡マナーの“これさえあれば”はその後を拓く代表曲となった。
沢田研二やBO GUMBOS、ブルーハーツら先人の名曲カヴァーで固めた初のフル・アルバム。幕開けの“銀座カンカン娘”からシメの“愛の讃歌”まで伊東の歌声がとにかく圧巻で、ここから“襟裳岬”が話題になった。継続参加の面々に加えて佐藤良成(ハンバート ハンバート)も演奏に参加。
セルフ・タイトルに相応しい初のオリジナル・フル・アルバム。ピアノも軽やかな“はきだめの愛”で始まり、メランコリックな“最後の手紙”、スカ調の“月明かりの夜”、前向きな決意表明の“鐘は鳴る”など表現の幅もグッと広げている。自主制作盤から“T字路sのテーマ”など3曲を再録。
ほぼ二人のみの録音に回帰しつつも佐藤良成が“暮らしのなかで”など数曲のアレンジや演奏にも関与し、エディ“タンタン”ソーントンと大和田誠(COOL WISE MAN)を迎えたロックステディ“Eddie”もあるなど、多彩な聴き心地で飽きさせない意欲作。“泪橋”の再録音も熱い。
コロナ禍の状況を受け、一発録りではなくプライヴェート・スタジオでじっくり制作するスタイルで取り組まれたサード・アルバム。名曲“夜明けの唄”やガレージの“宇宙遊泳”を筆頭に曲ごとのアレンジが練り込まれ、いつも以上にリズム&ブルース〜ソウル色の濃い姿が楽しめる。
日常を鼓舞する応援歌のように響く“三百六十五歩のマーチ”を筆頭に、定評のあるカヴァーで固めた一枚。ちあきなおみで知られる“星影の小径”やRCサクセション“スローバラード”、小林旭、松崎しげる、The ピーズ、ザ・クロマニヨンズの名曲と並んで“これさえあれば”の再録も。
ハマりすぎの“あの鐘を鳴らすのはあなた”をはじめ、さだまさし“まほろば”や玉置浩二“メロディー”、井上陽水、高田渡、真心ブラザーズといった選曲も楽しいカヴァー企画の第2弾。オズワルド畠中悠の“コンビニエンスマン”が耳を惹くほか、“その日暮らし”の再演も収録。
リスナーによる人気投票と本人たちのセレクトによって構成された初のベスト盤。とはいえ“泪橋”や“蛙と豆鉄砲”“T字路sのテーマ”など7曲はゲスト・ミュージシャンも交えながら新録され、配信のみだった“夜も朝も午後も”もあるなど満足度は高い。入門編にも最適の一枚だ。
オズワルド出演のMVも話題となった“美しき人”を含むメジャー・デビュー・シングル。アルバム未収録の“マイ・ウェイ”は布施明の歌唱で知られる中島潤の日本語詞ヴァージョンを熱唱している。付属のBlu-rayには2024年12月1日の東京キネマ倶楽部公演の模様を収録! *出嶌孝次









