4年ぶりの7作目。エッセンシャルワーカーを勇気づける“Good Job”やBLMに呼応した“Perfect Way To Die”をはじめ、高いメッセージ性をピアノで弾き語り昇華する様は彼女らしさの最たるもの。時代が悪くなると音楽が良くなる……なんて一概には言えないけど、信念を持って表現に反映できる人、特に激動のアメリカの只中にいるアリシアにはそれが当てはまるのだろう。今作は彼女らしさと新味の両方を詰め込んで過去最高峰の多彩さを誇り、初期のソウル路線を思わせる“You Saved Me”や“Jill Scott”(ジル本人が客演!)、往年の“No One”などを彷彿とさせる力強さの“Love Looks Better”があれば、カリード、ミゲルらとの共演によるダウンテンポR&B群やディスコ、レゲエもある。いま聴くべき充実作だ。