美しいピアノ作品を届けてきたベルリン出身の音楽家と、さまざまな生命を内包する森とのダイアローグというべき新作。インスタレーション作品を作るために滞在したブランデンブルクの湖畔で野外録音された木々のざわめきや鳥の鳴き声、水の流れる音と向き合って奏でられた鍵盤は、人間が生きていること自体の力強さを炙り出しており、その音は血の温かさを宿す。
バッハ、キース・ジャレットを敬愛するポストクラシカル・ピアニスト:ヘニング・シュミートが、日本のデザイナー:ミズシマナツコ、調香師:沙里とのプロジェクト〈森を単なる背景ではなく、人間が五感を通じて世界と交わる舞台と捉え、音・香り・視覚表現を融合〉という〈Drei 3〉のために制作した音楽をパッケージングした作品。独ブランデンブルクの湖畔に滞在した際の自然音に、繊細なタッチと旋律を奏でるピアノ、微量なエレクトロニクスを用いて紡がれた9曲(究極)。制作環境そのものと対話し、新たな側面をも映し出した傑作。ええやんええやん。