全部が大事にしたいものすぎて
――そして、本編ラストの“GIVE YOU MY WORD”の前に控える新曲が、MVも公開された“FADED”です。こちらは久保田真悟さんの作曲/編曲で、作詞はmahoさんの担当ですね。
mayu「神曲。神曲キタ!」
maho「この曲のサポーターがメンバーにいてくれるんですよ(笑)」
mayu「そう、サポーターです(笑)。いろんな角度からこの曲の良さは語れますけど、まずはシンプルにめっちゃ良い曲で、歌詞も素敵だし、いろんな人に染みていくワードがところどころにあって、私たちのバックボーンを知らない人が聴いても凄く良いっていうのがまず1つ。で、ExWHYZのいままでのストーリーやmahoちゃんの人となりを知ってると、より味わい深くなるよっていう」
yu-ki「止まんないじゃん(笑)」
mayu「最後にこれを書けるのがマジでカッコイイなって思うんですよ。いままでの歌詞もmahoちゃんの確かな気持ちが書かれていて、mahoちゃんらしいなって思うけど、この曲に関しては、自分の中の迷いや恥ずかしいって思う部分も隠さずに込めてくれた感じがして。それを、いつもちゃんと言葉を選んで出すタイプのmahoちゃんがぶつけてくれたっていう。で、その歌詞が、こうやって終わりが決まって、大人として受け入れないといけないこともたくさんあるなかで、自分の本当の願いを書いてくれたのが、何もごまかしてなくてカッコイイなって思ったんですよね。最後の曲なんだけど、そうやって未完成の自分や未来に懸けた願いを書くことで、これからの曲にもなるじゃないですか。それが最高(笑)。すげえって思いました」
――作者としてはいかがですか?
maho「でも、自分ではめっちゃ私なんですよ。で、どっちかって言うと、これは自分だけが理解していればいいような内容ではあったんですけど。でも、〈最後に何を書きたいんだ?〉ってなった時に、そうしてきた部分を自分のためにも書こうって思ったっていう感じですね」
――最後だから書けた面もある。
maho「そう。でも、これは解散とかだけの話でもなくて。振り返った時に、やっぱり常に自分の中にこういう自分がいて、いままでそうやってきたからこそ、これからもそうやっていきたいなっていう思いを込めました」
mikina「いまの話も含めて、めっちゃmahoちゃんだなって思いますね」
――これは歌詞も曲も素晴らしいけど、EMPiREの“アカルイミライ”(2017年)を思い出させるサウンドも良くて、間奏でグッときてしまいます。
mayu「そうなんですよ! 凄くわかります。〈いくつになっても〉のところとかもヤバいですよね」
――こちらもパフォーマンスはまもなく初披露(取材時)という状況ですね。
yu-ki「このアルバムの中で唯一、自分たちで振付けしました。それぞれパート分けして考えてきたものを繋ぎ合わせたんですけど、やっぱり振付けにも個々の色が凄く出てるなって思いましたね」
maho「私は1番の振りを考えました。シンプルな見せ方というか、いまのみんなにやってほしい、ちょっと大人になった私たちだからできる感じにしました」
mayu「サビは全員でユニゾンなので、凄く踊るよりは歌を届けたいなと思って、手振りで伝わるような振りにしたいと思って付けました。元気に振ったりとかはしないけど、届けたいっていう気持ちが伝わる振りにしました」
yu-ki「私は2番です。やっぱり歌詞をちゃんと伝えたいと思ったので、歌詞の内容に沿って、それに紐付く振りを意識しました。グッとくる曲だけど、歌い方は可愛らしいところもあるので、そういうイメージも散りばめています」
mikina「私が、イントロと間奏とその後の〈いくつになっても〉のところですね。歌詞のない部分が多かったので、音から受けた印象を落とし込んだんですけど、久保田さんの曲はキラキラしてるので、ちょっとテーマパークっぽい動きにしたかったというか、〈この動きをさせたら良さそうだな〉〈ここで目が合ってたら可愛いな〉とかメンバー同士の可愛いところを出したい気持ちで作りました」
――そうやって皆さんで振りを制作するのも最後ということですね。
yu-ki「はい。最近、いちばん最初に自分たちで振りを作った“ピアス”(2019年)の振付け動画を観たんですよ。その時は初めてで何もわからないから、全部の振りに1つずつ〈ここの振付けはこういう意味です〉っていう説明を入れていて。スタッフさんに絶対OKを貰いたいから」
mayu「〈意味があるんだよ〉っていうのを示したくてね(笑)」
yu-ki「その頃から考えると成長したなって。それぞれが自分のパートに責任を持って、自分たちの色を出しながら付けられるようになって、そこはずっと一緒にやってきた成果だなって思いましたね」
そんな傑作『zION』を残して、8月31日にExWHYZは解散する。最後の日へ向かう心情や感慨はすでに各所で語られていることでもあり、日ごとに変化していくものだろうから、重ねて記載しない。本当に最後のメッセージは最後の最後の最後の瞬間に届けられるものだとして、ここでは取材を行った8月5日時点での4人が最後までその過程に向き合って過ごしていたことを記憶しておきたい。
yu-ki「アルバム全曲の振入れも終わって、ついにラストが近づいてきたなっていう気持ちです。ここまでホントにあっという間だったけど、その時間の流れの早さに流されないように、いまは一日一日を噛み締めたいなっていう気持ちで動いていますね」
mayu「シンプルに8月もスケジュールが詰まっていて、私たちもマスターも互いに気持ちの密度がどんどん濃くなっていってるのを感じるからこそ、自分の平常心を保つのに必死な日々というか。終わりに向けて、それぞれ〈良い日にしたい〉〈良いものにしたい〉みたいな気持ちが強いからこそ、ちょっと焦っちゃう感じはあるのかもしれない(笑)」
mikina「私もいろんなものを取りこぼすのが怖くて。最後にマスターやお世話になった方々の気持ちに向き合いたいし、〈自分がちゃんとしないと全部受け取って返し切れないんじゃないか〉って思うから、気が抜けないようにしている感じですね。全部が大事にしたいものすぎて」
maho「私はやっぱりまだライヴがあることが、最後まで自分のなかでは凄く大きいんです。もちろん数えられるほどになってきてるんですけど。だから、あんまり実感とかも湧かないまま、変わらずライヴのことを考えて過ごしていますね」
ExWHYZのシングルを紹介。
左から、2026年の“GIVE YOU MY WORD”、2025年の『DON’T CRY/リグレット』“iD”(すべてユニバーサル)
ExWHYZの作品。
左から、2022年のアルバム『xYZ』、2023年のアルバム『xANADU』、同年のミニ・アルバム『HOW HIGH?』、ライヴ映像作品「ExWHYZ LIVE at BUDOKAN the FIRST STEP」(すべてユニバーサル)、2024年のアルバム『Dress to Kill』、同年のミニ・アルバム『Sweet & Sour』、ライヴ映像作品「ExWHYZ TOUR 2024 Futura Free+ ‘Reinforce’」(すべてユニバーサル)
『zION』に参加したアーティストの作品を一部紹介。
左から、Shin Sakiuraの2023年作『Inner Division』(PARK)、ohayoumadayarouの2025年作『そこにないもの』(ohayoumadayarou)、和久井沙良のニュー・アルバム『Nothing But Living』(APOLLO SOUNDS)、TenTwentyの2026年作『Abyss Red』(トイズファクトリー)、パソコン音楽クラブの2024年作『Love Flutter』(HATIHATI PRO.)、DONGROSSOの2025年作『ANTI SOCIAL SOUNDSYSTEM』(A.S.A.B)