前作から8年。長い空白期間を経たからこそ、現在の境地に辿り着いたことがわかる傑作だ。驚くことにプロデュースはリック・ルービン。ただ、おそらくルービンはサウンド面に口出しするのではなく、辛抱強くダミアンの気持ちを和らげながら、答えのある方向へと丁寧に彼を導いたのだろう。アコースティック・サウンドのなかに浮かび上がる物悲しくも美しい旋律と、官能的ですらある声。恐れや喪失感を滲ませつつ、愛の希求もあり、ここには生まれ変わろうとしているダミアンと、確かに変わりはじめたダミアンがいる。全8曲の順序にはその変化の過程が反映され、7曲目でついに〈ここから始めよう〉と歌われる。暗闇から光ある場所へ。そんな物語のようなこの感動作は、何としても全編通して聴くべき。