待望の7年ぶりとなる帰還。ついに実現したと言ってもよい、リック・ルービンをプロデューサーに迎えてのニュー・アルバムは、米カリフォルニア州マリブにある彼が所有するスタジオで録音されたもの。ルービンらしくバンドの演奏をダイナミックに生々しく録音しており、近作で聴けた80年代風のシンセを絡めつつも、やはりシンプルに〈ロック〉している感が良い。特に“Eternal Summer”や“Why Are Sundays So Depressing”などミディアム・テンポのねちっこいグルーヴはクセになりそうな素晴らしさだ。ジュリアン・カサブランカスのエモーショナルなヴォーカル、センティメンタルなメロディーセンスもさらに深化しており、キャリアを積んだからこそ成しえる、ディープで力強い傑作。