隣に寄り添う音楽〈パリ・ミュゼット〉を3枚に凝縮

 パリ・ミュゼットとは、パリの街で長きに渡り愛され続ける音楽であり、身近に寄り添う音楽。映画『パリの屋根の下』など多くのフランス映画から流れてくるアコーディオンの調べ、それがパリ・ミュゼットで、シャンソンと並びフランスを代表する音楽。さらに、天才ギター・プレイヤーとされたジャンゴ・ラインハルトも多くのミュゼット曲を演奏し、シャンソン歌手セルジュ・ゲンズブールもミュゼット曲を歌ったという、フランス~世界へと響き渡ったワールド・ミュージックなのです。

 

VARIOUS ARTISTS フレンチ・アコーディオン ~オリジナル・パリ・ミュゼット1~ RESPECT RECORD(2015)

 (1)フランスのレコード大賞、アカデミー・シャルル・クログランプリ受賞作! 90年代にアコーディオンとパリ・ミュゼットのブームをもたらした大名盤。60~80年代までシャンソンと共に愛されていたパリ・ミュゼット、つまりはアコーディオンの存在や音色が一部の音楽愛好家達の中でしか聴かれなくなってしまった状況の中、フランス人プロデューサー、パトリック・タンダンフランク・ベルジェロにより、再度世に問うべくリリースされた歴史的重要作。本作には、ダニエル・コランラウル・バルボーザジョー・プリヴァマルセル・アゾラリシャール・ガリアーノジョエ・ロッシなど世界に誇る一流の奏者が集結。パリの下町の空気を吸い込んだワルツタンゴマヌーシュ・スウィングアフロなど多彩な曲調と曲毎に代わる演奏者の名演とバラエティ富む楽曲群となっています。

【参考動画】『フレンチ・アコーディオン ~オリジナル・パリ・ミュゼット1~』に収録されている楽曲、
ラウル・バルボーザ“群衆”(原題:Que Nadie Sepa Mi Sufrir)のパフォーマンス映像

 

 

VARIOUS ARTISTS フレンチ・アコーディオン ~オリジナル・パリ・ミュゼット2~ RESPECT RECORD(2015)

 (2)前作のパリ・ミュゼットのブームに火が付き92年秋頃から録音を開始した93年作。前作に参加していない名手達も招集に成功し、音楽的なコンセプトを「マヌーシュとスウィング」に統一した作品。前作同様にミュゼット・ギターの名手ディディエ・ルーサンディディ・デュプラの素晴らしい伴奏も楽しめます。

 

VARIOUS ARTISTS フレンチ・アコーディオン ~オリジナル・パリ・ミュゼット3~ RESPECT RECORD(2015)

 (3)パリ・ミュゼット界の大スター達が集結した97年作、名盤にして追悼盤。録音を終えた94年にジョエ・ロッシ、96年にジョー・プリヴァ、ディディエ・ルーサン、ディディ・ディプラが亡くなり、期せずして彼らの追悼盤ともなった作品。本シリーズの3枚を締めくくる1枚であり、2度と実現することのない貴重な作品でもある、ミュゼット界の大スター達の名演を堪能できる保存盤です。